2008年06月22日

チェーン型サービス業

私は、サービス業には2種類のビジネスモデルがあると考えています。一つ目は、「チェーン型サービス業」、そして二つ目は「カスタマイズ型サービス業」です。前者は、コンビニエンスストアやFC展開する飲食店が代表例です。そして後者は、システム開発やコンサルティングなどの事業所向けサービスに多く見られます。さて、これら二つのモデルを考えた時にどちらを選択するかということは、新規事業にとっても重要な選択になります。

最終的に目標とする規模のイメージによって、選択するモデルは異なります。逆に、ビジネスモデルが、カスタマイズ型なのに、不必要にチェーン型を目指すと、その質が落ちるなどの難しい側面があります。そのため、事業のスケール感、ビジネスモデルを充分に吟味して、新規事業の事業展開も検討していく必要がありますので、注意しておきましょう。

さて、新規事業のアイデアをカタチにして、企画にする際にも、実はこのビジネスモデルの選択が重要になってくることを理解しておきましょう。例えば、小規模事業者が群雄割拠し、覇権を取る企業がいない場合。これはチェーン型を選ぶと、ブレークスルーする可能性があります。かつての理髪店なども、そう言えるかもしれませんね。逆に、チェーン型が当たり前の世界に、カスタマイズ型を持ち込むと、これも飛躍の可能性があります。既成の紳士服チェーンの世界にオーダー型のお店を出店するなどです。

皆さんは、新規事業の企画段階において、ビジネスモデルを考える際に、大雑把にどちらのモデルを選択するかイメージしていますか?意外にも、これを理解しておくのとしておかないのでは、差がつきますので、注意しておきましょう。例えば、クリーニング業の「喜久屋」という会社があります。同社は、既存のクリーニング屋という業態に捉われず様々な新規事業に挑戦されています。

同社は、地域密着や小規模事業者が多いクリーニング屋という業態の中で、マンションの居住者向けに全国レベルで、クリーニングを請負うサービスを始めました。仕組みは、マンションの管理会社が居住者に提供するクリーニングを請負い、全国約20のクリーニング会社と提携することで全国規模で統一したサービスを提供するというものです。マンションの居住者向けには、一棟ごとに管理会社より請負う方式が多かったところを、全国的に請負うモデルに挑戦するという試みです。

全国から、同社がオーダーを受ける窓口となり、提携する各地のクリーニング会社を紹介。決済やクレーム対応も同社が一括して請負い、いわば擬似的なFC本部の役割を行うというものです。同社の仕組みに加盟する企業は、ロイヤルティを売上の10%払う必要がありますが、コンスタントに仕事が獲得できますので、メリットが出ます。この事例などは、まさにカスタマイズ型のビジネスをまとめて、チェーン型に仕上げるモデルと言えますよね。

ちなみに、今後同社では加盟のクリーニング企業を400〜500社まで増やすと同時に、販路開拓のためにマンション向けにコンシェルジュサービスを手がける「クオリティライフ・コシェルジュ」社と業務提携したほか、宅配ボックス管理の「フルタイムシステム」社とも業務提携したといいます。今後、このチェーン型サービスへの取り組みは要注目ですね。

新規事業では、事業ドメインを設定することも大事、そしてアイデアや企画内容も大事。しかし、的確な事業計画を作成するためには、ビジネスモデルの充分な吟味も大事になります。その中でも、目標から逆算して、どんなモデルを選択するのかも、とっても大事なことを覚えておきましょう。チェーン型とカスタマイズ型のどちらが良いのか。熟慮してみましょうね。

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2008年06月17日

富士フィルムの挑戦はいかに?

富士フィルムと言えば、フィルム、デジカメ、画像関連機器のイメージが強い会社です。ところが、最近では化粧品や医薬品を手がけ、総合ヘルスケアカンパニーを目指すという方向性を明確に打ち出しています。果たして、この挑戦の行方はどうなるのでしょうか?異業種への挑戦を大胆に進める大企業として私は大変注目しています。

もちろん、異業種への進出と言っても独自技術の転用やM&Aも絡めているので、全くの未知の市場への進出というのと意味は異なるかと思います。しかしながら、市場の評価は厳しく株価がさえない状態が続いているようです。これまで富士フィルムと言えば、医療関連でも画像診断など診断が中心だったのですが、今後は予防や医療まで踏み込み、本格的な事業展開を目指しています。

そして医療関連事業を収益の柱にして、10年後に売上高を3倍にするという計画。ところが、投資家からは、既存事業との関連性や収益性が不安定な医薬品に対しては懐疑的な意見が多数のようです。私は、独自の技術や強みが充分に活かされるならば、目先の株価に左右されずに、大胆に挑戦することは良いことだと思います。

実は、富士フィルムの主力分野である写真フィルムの主成分は、コラーゲンやゼラチンであることを知る一般の方は少ないでしょう。また、それら医薬品開発に不可欠な化合物ライブラリーも20万種持つと言われています。こうして考えてみると、使える技術や強みが充分あるわけですから、未知なる市場や関連性のない分野への進出とは一概に言えません。

独自技術を水平展開的に、分野をまたいだ商品開発を行う企業としては、花王が上手な事例としてよく取り上げられます。同社では、保有する技術の使い道はないか?企画に使える技術はないか?など、技術軸と市場軸を横串で刺す形で新商品の開発にあたっています。独自の技術を持つ企業は技術ベースと市場ベースの両軸で物事を考えることが大切であると私は考えていますので、花王の事例はまさにピッタリですね。

新規事業や新商品の開発を行う際は、技術や強みを活かせる市場を狙うこと。そして使える技術は何か?保有する技術の使い道は何か?など技術と市場の軸で企画を作り上げていくこと。これらが成功のセオリーだと私は思います。富士フィルムはそういう意味では、無意味に未知なる市場に参入する訳ではありませんので、一定の勝率を収めるのではないでしょうか。ある意味、花王のように、独自技術をベースに上手に水平展開されていくことをウォッチしていきたいと思います。

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2008年06月09日

引き算式の新規事業

私は新規事業を考える際に、様々な視点をご紹介していますが、最近”引き算式”で考える企画が増えてきたのではないか。そう思えてなりません。例えば、アイポッドを考えてみましょう。ついつい普通の会社ではごちゃごちゃと機能やボタンをつけてしまいがちになるもの。ところが、アップルはさすがに大胆ですね。この製品は驚くほどシンプルにデザインされ、機能自身もシンプルですよね。これぞ、引き算式の考え方だと思うのです。

言い方を変えれば、シンプル化と言えるかもしれませんが、新規事業の企画を考える際は、”引き算式の企画づくり”として考えてみてはいかがでしょうか?任天堂のDSを考えてみた場合にどうでしょうか?PSPに比べてお手軽さがありますよね。最近、スーパーのレジはセルフレジも増えてきました。TOTOはふちなしトイレを発売しました。ふちがあると、掃除がしにくいところを解消したわけです。

省エネ志向で容量や動力を減らした商品も最近、よく発売されていますね。そして、外食産業でも、ボリュームが少なめのメニューや、お一人様でも入店しやすいようなコンパクト店舗の大量出店が各社続きます。つまり、引き算式でものごとを考えていくと、逆に新たな企画が複数生み出されていくのです。ところが、引き算式の事業にすると多くの人は不安に思います。

こんな機能をなくして大丈夫だろうか?コンパクトにすることで客単価が落ちないだろうか?私はそうは思いません。例えば、飲食で考えれば分かりやすいと思います。従来より小型のメニューを出しても、確かに一品一品の単価の絶対額は下がりますが、その分、デザートや前菜など他のものをたくさん食べようとする意識も一方では働きます。したがって、コンパクトにしても客単価としては維持される場合が多いことも事実なのです。

物事を省いて考えてみる。こんな機能はもういらない!というものを書き出してみる。こうやって、引き算式の発想をすることで、新規事業を考えることはとっても有効である。私は、こんな風に思います。今の時流は、複雑な時代であるからこそシンプルにしていくことが受けるのではないでしょうか?

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2008年06月03日

6月25日に経営セミナー開催!

皆さん、こんにちは!今回は弊社のPRです!

いつも、「新規事業につけるクスリ」をお読みいただき、有難うございます。

さて、当コラムと連動する形式で開催する経営セミナーを、久しぶりに6月25日(水)に開催します!!
一年近く開催しておりませんでしたが、読者の皆様からも、お問い合わせを複数頂いたため、開催することを決めました。私としましても、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。m(__)m

今後のスケジュールも巻末につけておりますので、最後までお読み頂きます様お願い申しあげます。


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■ 『 明日から使える売れる仕組み作り’08 』 ☆締切:先着順

  〜 勝てるビジネスモデル7つのツボとは? 〜
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<セミナー概要>

昨年度、大手企業を中心に27社が受講したビジネスモデル講座。
1回あたりの受講は30万円にもかかわらず多くの方に受講して頂き、
大盛況のうちに終わりました。

そして、今回はプログラムのエッセンスをコンパクトに凝縮して、わずか
100分の1の金額である3000円で開催することになりました。対象を
中堅・ベンチャー企業にまで広げオープンセミナーとすることで、多くの
方に「気づき」をご提供します。

内容は、分かったようで分かっていなかったビジネスモデルや収益構造
を最新の事例を織り交ぜながら解き明かし、講師が解説します。

収益性を高め、主導権を持った事業展開をするためには、どうすれば
いいのか?当日は、ワークショップも織り交ぜながら、実践的な課題解
決策をお伝えしていきたいと思います。

取引先、部下、上司、知人などをお誘いの上、お越しください 。


<プログラム内容>

1. 知ってる人だけが儲かるビジネスモデル
2. ヒット商品のコンセプトはここが違う
3. これだけあった販売方法
4. リアル店舗の活用でライバルに差をつけろ
5. 成長し続けるアウトソーシングモデル
6. カタチの見えないノウハウの売り方
7. 情報は、こうしてお金に変えろ
8. 出会い系モデルは廃れることはない
9. 勝手に考えてみよう!”空想企画”

☆ 当日は、参加型のワークショップも行います!名刺をご用意下さい。
☆ 内容を一部変更することもありますので、予めご了承ください。


<こんな方にお薦め>

● 「新しい売り方のヒントが欲しい」
● 「既存事業の利益率の向上を図りたい」
● 「新規事業を模索中である」

「対象」

・経営者および経営幹部
・経営企画部
・マーケティング部
・販売促進および営業関連部署
・新規事業開発部 など


詳細・続き・お申込はコチラより ↓↓
>>(経営セミナーの詳細な内容)

30名限定につきお早めにお申込下さい。
懇親会の参加予約も受付中です。


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■ 「今後のセミナースケジュール」 ※ワークショップ形式
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(8月)  明日から使える売れる仕組み作り 〜 新顧顧客獲得編 〜

(9月)  明日から使える売れる仕組み作り 〜 リピート顧客獲得編 〜

(10月) 明日から使える売れる仕組み作り 〜 値上げの価格設定編 〜

(11月) 明日から使える売れる仕組み作り 〜 購買点数倍増編 〜

(1月)  3年で10億円を稼ぐ企画の作り方 〜 アイデア創出編 〜

それでは、皆様からのお申込をお待ちしています。m(__)m
会場で、お会いしましょう!!(^o^)丿

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2008年05月31日

特注品を狙え

特注品市場は、とってもニッチな市場。だから効率が悪く、儲からない。こんな通説が一部ではありました。しかしながら、特注品は根強いニーズと顧客層があるという逆の側面もあります。そのため、私は成長市場においても、初めから特注品市場で新規事業開発を行うことも一つの方法ではないだろうかと思います。例えば、IT系でコンテンツ企画の「Xarts」の事例を見てみましょう。

この会社は新サービスとして、衣装や音楽、映像などの特注品を求める人と制作者を引き合わせるサイトを7月に立ち上げる予定であるとのプレスリリースが先日ありました。特に日経産業新聞の記事によると、需要側の希望と供給者側の売り込み作品を公開してマッチングさせ、一般に流通しない商品・コンテンツの取引ルートを開拓するとのことです。映画やゲームに登場する衣装などが高値で取引されているところに着眼したところがおもしろい。

ちなみに、需要側は一般消費者のほか、アーティストも可能で、供給側はアマ及びプロのクリエーターを想定しているらしいです。取引商材は、特注品の衣装や道具、プロモーション用の音楽や映像などが中心になる見込みで、同社は、購入者から制作料金の30%を手数料としてもらう仕組みにされています。今、消費者やセミプロの力を借りて商品開発を行う事例がネットにおけるマッチングモデルで増えています。そして、その広がりは特注品などにも広がってきています。

そのため、私はいかに特注品のカテゴリーを時流となっているビジネスモデルや、世の中のトレンドに応じて見出すかということが鍵になるのではと考えています。特注品市場は、儲からない小さな市場ではなく、カテゴリーの創出力にもよるのではないでしょうか。読者の皆さんが、新規事業を考える際に、特注品市場というものを視野に入れ、どんなカテゴリーで事業を展開されるのか検討してみませんか?ここにはモノづくりモデルでも、ネットモデルでも、大きなマーケット開拓のヒントが含まれていると思います。

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2008年05月26日

アイデアは複数のルートから

最新号の日経ビジネスには全日空(ANA)が複数のルートからアイデアを吸い上げて、CS向上や新しいサービス企画に役立てているというレポートがありました。なるほど!と思うと同時に、私がコンサルティング現場で日々感じることと重なる部分があると思いながら読んでいました。ANAは、年間30回も社長や役員と直接対話する場が設けられているそうですね。

また、その他にも新規事業などの提案制度、そして企画だけを担うANA総合研究所という子会社を設立したりと、あらゆるルートを作ってアイデアを社員から吸い上げるようにしています。私が見る多くの企業では、とりあえず社内提案制度を作ったので、公募をして欲しいとだけ願う事務局スタッフ。そして、何でもいいからアイデアを考えて出してみろと口だけで言いっぱなしの経営者。こんな風景が繰り広げられています。

しかし、レポートを読む限りではANAほど徹底した企業はまだ珍しいと思います。何か一つの手段を用いて新規事業を提案させようとしても、会社の本気度を社員がくみとってくれるわけではありません。徹底的に、そして貪欲に提案できる場の設置と、そのための促しを行わなければ簡単には社員は手を挙げてくれないものなのです。ちなみに、ANAでは、20代の女性社員から提案された安全教育センターの設立などが既に実現済み。

そして、中にはANA銀行を作りたい、機内モニターで現地を案内する電子スチューワデスはどうかなどのアイデアが続出しているといいます。また、アイデアは出させっぱなしにせずに、優秀なアイデアにはアカデミー賞の受賞さながらに、赤絨毯を敷き詰めたところで表彰式を行うなど、モチベーションアップにも余念がありません。同社はアジアナンバーワンを目指すといい、そのベンチマーク先をシンガポール航空に設定しています。明確な目標ですね。

そのためには、現場にいる社員の力、意見が大事何ですという姿勢を、トップ自らが打ち出している。その一つの有力手段が、社員のアイデアを吸い上げる複数ルートの設置ということです。多くの会社では、社員がいつか提案してくれるだろうと甘い期待を抱きすぎ!また提案制度をつくれば、提案してくれるだろうと制度に頼りすぎ!まずは、複数のアイデア吸い上げルートをつくるところから始めるのがよいのではないかと私は思います。

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2008年05月20日

コツコツと

全く未知の市場に進出する新規事業は上手くいきません。これは一つのセオリーだと思います。しかし、私は以前より「情熱×人材」がそこに存在するなら、そのセオリーを無視して頂いてもいいですとクライアントには説いています。未知なる市場に参入する新規事業がこの世からなくなれば、あの「ヴァージングループ」も存在しなかったわけです。つまり、まずはセオリーどおりに新規事業を考え、時には未知なる市場に参入することも恐れる必要はないとも言えます。

ちなみに、私は昔、マッキンゼーというコンサルタント会社出身の人間に言われました。「キミねぇ、全く異なる市場の新規事業をやってうまくいった例なんかないよ。うまくいくはずがない!」と。何の豪語や!と思いながら、あほらしくなって返答はしませんでしたけど。それなら、ヴァージングループも三菱商事などの総合商社や、コングロマリットを否定するのですかと。それは大企業だから例外という言い訳は通用しませんよね。

そこで、一つ小さな、異業種参入の企業の事例をご紹介しましょう。カルチャースクールを運営していた会社が飲食店で成功する話です。「ブラスアンドカンパニー」という会社は、ずっと教育事業を中核にしてきました。ところが、5年ほど前に、同社の社長である坂入氏は、ふとニューヨークで訪れた韓国料理のスンドゥブ専門店に魅せられたのです。これは豆腐を使った家庭料理でまだ日本では知名度が低い状態でした。

そこで、日本では競合が少なく、豆腐や魚介類を使用するスンドゥブなら健康志向の高い日本で受け入れられるはずだと判断し、新規事業を決断したと言います。とはいうものの、同社は全くの門外漢。そこで、料理が得意な従業員らが集まりレシピを研究。韓国での食べ歩きなども重ねて独自のスープを開発したといいますから、その努力には頭が下がる思いです。本当に成せば成るですよね。そして2006年に完成した一号店は「東京純豆腐」

セントラルキッチンの活用による効率化やメニューの多様化などを重ね、現在では月商が800〜900万円ほどの店も誕生。そして今夏からは千葉県内にFC1号店が開業予定だといいます。(日経産業新聞参考)さて、いかがでしょうか?よくある開店ストーリーかもしれませんね。しかし全くの門外漢である企業が、一人の気づきから発生した事業化への未知としては良い事例ではないでしょうか。

この事例から紐解けることは、何事もコツコツと努力していけば、未知なる市場かどうかは関係ない。時には知識やスキルを超越することだってありえるのです。全く知識やスキルがなくてもいい。ただコツコツと仕組みを作る姿勢を持つなら、未知なる市場も新規事業の対象にしたっていいじゃないか。私は少なくともそう思います。なんだか精神論みたいになってしまいましたが、これも大事なことであると思います。

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2008年05月19日

些細な視点

新規事業の企画業務において、必ずしも大きな視点を持つ必要はないということを皆さんはご存知ですか?夢ばかりを見るのではなく、時には些細なことを大きくしていこうとすることも必要なのです。日常にあるどんな些細なこともビジネスにしていく貪欲さがあれば、何でも企画化していくことは可能なのではないでしょうか。いつもメガ・ヒットばかりを目指す必要はないのです。

例えば、玩具メーカーのバンダイはこの点において、良い事例を提供してくれます。例えば「プチプチ」という商品を皆さんはご存知でしょうか?少し同社のHPから引用してプチプチを活用した玩具のご紹介をしましょう。そもそもプチプチとは、ポリエチレン製の無数の気泡をシート状にした、壊れやすいものを包む緩衝材のことです。本来の使用方法は、緩衝材としてですが、この気泡を指でつぶしたときの「プチッ」という心地よい感触が病みつきになるという側面もよく知られています。
 
同商品「プチプチ」は、そんなプチプチをつぶした感覚を本物そっくりに再現したキーチェーン玩具です。表面の気泡の粒を指で押すと、プチプチとはじける感触を味わうことができ、内蔵されているスピーカーから出る効果音で、本物のプチプチをつぶしているかのような感覚をお楽しみいただけます。いつまでプチプチしても、なくならない安心感と、どこでもプチプチ出来る手軽さ、何回も押した時に「プチッ」以外の効果音を聞くことが出来る遊びの楽しさがこの商品の魅力です。とのこと。

なるほど、確かにこれは触りたくなりますよね。そして、あ〜分かる分かるという反応が得られそうな企画。実は、これ、かなり些細な生活者としての視点や気持ちから商品化されたと聞きます。まさに、担当者が貪欲にビジネス化した些細な視点の良い例と言えるでしょう。そしてもう一つ、「バブリーバブルバス」という商品をご存知ですか?簡単に言えば、札束を浮かべて風呂に入るシーンの提供です。

ある日、商品企画担当者が、翌週の企画会議に提出するネタがないと悩んでいた時に、読んだ雑誌の写真広告を見て気づきました。札束を浮かべて風呂に入るという誰しも面白おかしく憧れるシーンを提供できたらと・・・。些細な視点が企画に結びついた事例ですね。詳細は、同社のサイトで商品案内を見るのが良いでしょう。ちなみに、サイトでは、次のように紹介されています。

「バブリーバブルバス」は、あこがれの“お札風呂”が体感できる入浴剤で、片面にお札をイメージしたプリントを施した、紙状のあわ入浴剤が10枚入っています。1枚ずつ浴槽に散らし入れ(1回の入浴につき10枚以内が適量です)、入浴剤が溶けてきたらシャワーなどをお湯の表面にあてるなどしてお湯を泡立て、あわ風呂をお楽しみいただけます。香りはさわやかなヒノキ風呂の香りです。

商品の中台紙には、お金にまつわる格言入りで(全13種、例:「財布が軽ければ、心は重い。」)、また「大当たり」の文字が出れば、お札型のオリジナルハンカチ「バブリーハンカチ」10枚セットをもれなくプレゼントします。 う〜ん、面白い!どうでもいいものだけど、買って試したくなります。

これは一度サイトの写真を見ていただいた方がイメージしやすいかもしれませんね。さて、私が言いたかったことは、一つだけです。メガ・ヒット級の新規事業や商品開発を狙って発想しようと思ってもなかなか難しいものです。それよりも、日常見る些細なことにどれだけこだわって、深く掘り下げて洞察していくかということがとっても大切になってくるのです。どんな些細なことも”ネタ”として見逃さずに、商売につなげてみましょう。

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2008年05月07日

本業をいかに超えるか!?

今朝の日経産業新聞には、なるほどと考えさせられる記事が掲載されておりました。カジュアル衣料店の「しまむら」が好決算ではあるものの、連結営業利益に占める単体での利益比率が99.7%にも上るとのことです。つまり、本業以外は全く儲かっておらず、主力業態だけで利益を出しているという意味になります。これは考え方によっては未来への投資が上手くいっていない証拠でもあり、新規事業(同社の場合は、新業態)開発がスムーズではないというものです。

同社は、幼児品専門店や服飾雑貨専門店、靴専門店なども展開されておられます。実は、多角化や新業態の開発を本格化させたのは、約10年ほど前に遡りますす。当時500〜600店舗ほどあった「しまむら」は国内需要は1000店舗が上限と考え、新業態を次々に立ち上げたのです。しかし、1000店に近づくと、目標を2000店舗まで延ばし、店舗形態をきめ細かく変えて都市部などに出る事で出店の限界を突破したのでした。

これだけを見ると一見、それならそれで、いいではないかとなりそうですね。しかし、需要が減少してきている国内市場で単一の業態だけで生き延びることは、至難の業とも言える時代に入っています。そのため、新しい業態開発できめ細かく生活者のニーズに応えていくのか、海外へ出店していくかの選択に迫られていくのが実情でしょう。そう考えれば、未だに本業頼みの会社経営はとってもリスキーであるとも言えるわけです。

ちなみに似たような経営事情は、ユニクロの海外事業が今ひとつパッとしない点や、吉野家が牛丼に支えられている点とも似通っていますね。さて、この点に関し、日経産業新聞では、面白い問いかけがありました。それは「新規事業が超えるべき壁はそれほど高いのか、強すぎる本業に弱い新規事業が頼ってしまうのか。どちらも正解なのだろう。しかし本業の成長エンジンも徐々にブレーキがかかる。」

なるほど、これは物事の本質を突いた指摘ですね。本業が強すぎると、新規事業で成長を目指すことが、社内の風潮もモチベーションから言っても容易ではありません。私はかつて大手玩具メーカーの新規事業コンサルティングに携わったことがありますが、同じようなジレンマがありました。強すぎる既存事業や本業との兼ね合いをどうしていくべきか。これは会社にとって重要な視点だと思います。しかし、新規事業を重ね、企業成長を目指さなければ生き残りさえ難しいこのご時世です。

本業との兼ね合いを新規事業にも定義づけ、本業をいかに超えるかを真剣に議論し、早期に収益化を図らなければどんな企業たりとも余談を許さない状況ではないでしょうか。しまむらをケースにした本日の記事はとっても重要な示唆を与えてくれます。普段、どんな事業を行うのかという企画の議論が多いですが、改めて本業との兼ね合いなど新規事業の位置づけや提議を徹底的に議論することも必要ではないかと考えています。コンサルティングの現場より、これは強く日々感じますよ。

posted by compas at : 17:40

2008年04月30日

クチコミ×ランキング

CGMという概念が出てきてから「クチコミ」が持つ影響力の大きさは改めて注目を浴びました。そして、そのクチコミやユーザーの評価をネットの仕組みによって自動的にランキングしていこうという試みも自然と定着してきました、つまり、それだけ生活者やユーザーの声が商売に及ぼす影響が大きくなったということです。そのため、新規事業の企画においても、できるだけこれらのキーワードに基づく発想も必要になってくるのではないかと思います。

企画に「クチコミ×ランキング」の仕組みを組み込んでみるという発想方法です。例えば、「アライドアーキテクツ」という会社は、ブログに書いてある商品レビューをランキング表示するサービスを始めました。これはウェブ上にあるレビューを集約して、言及数が多い順に商品をランク付けし、注目度が一目で分かるようにする仕組みです。更に、ランキングのページから直接ネット通販サイトにリンクするため、思い立ったらすぐに購入も出来るようになっています。本日の日経産業新聞にも掲載されていました。

私などは、アマゾンで書籍を購入する際に、いったん他人のレビューを参照してしまいます。もちろん、自分にとって必ずしもそれが正しい評価かどうかは別ですが、ある種安心感を欲しているのでしょうね。こうやって考えると、商品そのものへのレビューは、購買者の心理に大きな影響を与えるため、商品レビューにおける市場や企画は大きな可能性を秘めているのです。ブログで話題のニュースなどをランキングしたものは多いですが、商品レビューのランキングはまだ珍しいとのこと。

どの会社のブログを使っても、登録していれば、レビュー数がランキングに反映されるようになっているため、この分野ではプラットフォームになることすら目指せますね。ちなみに、アライド社は、レビューから実売に至った場合の成果報酬型の広告収入を得るようで、もちろんブロガーにも広告収入の一部が入るようになっています。一見ややこしそうで、実はシンプルなビジネスモデル。私は、今後アライド社のような「クチコミ×ランキング」のモデルは増えてくると思います。

誰もがクチコミの重要性は理解しているはず。でも、それをどのように料理するかで、事業のあり方が変わってきます。私はランキングという切り口で料理をしてみると、面白い企画に仕上がるのがたくさんあるのではないかと考えています。皆さんの既存事業に「クチコミ×ランキング」という仕組みを組み込んでもよし、また新たな企画として作り上げるのもよし。一度、こんなアプローチで企画を検討してみてはいかがでしょうか?

posted by compas at : 11:52