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2007年10月11日
レンタルという新規事業の選択肢
新規事業の、コンサルティングや研修の現場でクライアントを見ていると、面白い共通点に気がつきます。それは事業企画をつくろうというフェーズにおいて、出てくる企画やアイデアが大抵3つに集約されるからです。それは、「モノを作る」、「モノを売る」、「店を構える」事業企画です。確かに、これら3つのビジネスモデルは誰しもが分かりやすく見えやすいビジネスですから、思いつきやすいですね。しかし、この3つはいずれもモノが関わってくるビジネスですが、モノ事業はコモディティ(日用品)化しやすく、価格競争が激しくなることもあります。また特にお店を構える場合は、初期コストに多大な投資を要するのが普通です。そうやって考えると、新規事業で企画を考える際は、前述した3つの企画だけではなく、この3つをひねったもの、もしくはそれ以外のサービスを考えることがとても大切になってきます。
さて、今回私がご提案したいのは、同じモノ事業でも、モノを「レンタル」するビジネスモデルを検討してみてはどうかということです。モノを所有するから利用する時代へ移行してきたとは、よく聞く言葉ですね。つまり、購入しなくても、その場限りで消費したり、レンタルするだけでもいいのではないかという身軽なライフスタイルを指すわけです。しかし、レンタルというビジネスモデルは意外に、新規事業の企画としてクライアントから挙げられません。レンタルと聞けば、私などはすぐにCDやDVD、またはレンタカーなどを思い浮かべますが、こんなものもレンタルなのかという発想でブレストすれば、結構面白い新規事業が考えられるのではないかと、私はいつも思います。
ダスキンなどはレンタルのビジネスモデルで成功している典型的な会社ですね。化学性のモップのレンタルに始まり、家庭用お掃除用品、オフィス関連用品など幅広くレンタル事業を展開されています。で、このレンタルというビジネスモデルを一度ダスキンが競合になるクライアントと一緒に調査したことがあるのですが、リピート性が高いし、損益分岐点を越えれば、後はどんどんと利益が積み重なっていきますから、優れたビジネスモデルなんですね。かつて私は、レンタルビデオ店で有名なツタヤを展開し、CCCグループの創業者である増田社長の講演会を聞いたことがあります。もう10年前くらいでしょうか。その際に、増田社長はレンタルビジネスを始めるにあたり、レンタルという発想をやめたことが他社より優位なポジションを築ける原点だったと言います。
レンタルではなく、これは金融業であると。どういうことかといえば、当時CDのアルバムが3000円、レンタル料が300円とします。仮にも仕入れ金額が3000円だったとすれば、10回貸し出せば元がとれてしまいます。そうすると、その後の利益は、金融で言う利子を継続的に得続けているのと同じだと。または、配当収入という捉え方もできると。損益分岐点を越えた瞬間から、300円×貸し出し回数分の金融収入があるのだから、これはおいしいビジネスなんだと。実はこの講演会、私が新卒で行った会社説明会での一コマなのです。就職活動中の学生の時に聞いた私は、すごい発想をする社長だなぁと感心したものでした。
さて、レンタルと言えば、先日読んだ日経新聞にこんな記事がありました。がんや脳梗塞などの病気を早期発見する画像診断装置である「CT」や「MRI」を搭載した車を貸し出す事業です。発想は至ってシンプルです。CTやMRIを活用した健康診断は、一般の人にとってはとても高額。さらに、設置スペースや導入コストの問題で、全ての医療機関が所有しているわけではないという実態。ここで、同事業を展開する「フリール」という会社が、CT車12台、MRI車8台を持って、装置を持たない医療機関に貸し出す事業で月に200箇所への導入実績をつくっています。同社は、1992年に心臓の専門医が創業し、現在では年商9億円、経常利益も4300万円を稼ぎ出すようです。実際には、CTなどの搭載車を貸し出すたびに、自治体に病院設備として届出をして、検査を受けなければいけないという法律の規制の壁があるため、競合は現れていないそうです。
同社が、どこまで会社の発展を望んでいるのかは分かりませんが、それでもレンタルというビジネスモデルで新規事業の新境地を開いたことは、とても参考になります。どんなモノをレンタルにすることができるのか、どんな分野でレンタル事業を考えれば面白いのかなど、意外な分野でレンタル事業の有効性を考えてみたいものですね。新規事業の企画や事業計画の作成において、”レンタル”というビジネスモデルも一考に値するのではないでしょうか。
投稿者 compas : 2007年10月11日 18:41
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