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2007年10月11日
コンシェルジュ・モデルを考える
新規事業のコンサルティングやセミナー時に、私は今後「コンシェルジュ」タイプのビジネスモデルが、あらゆる分野で増えてくるという風に力説してきました。これだけ社会が成熟化し、欲しいものが無い時代になってきた現在、消費者は情報の洪水でお腹いっぱいになっているわけです。したがって、コンシェルジュのような水先案内人が、適切なアドバイスの元に、情報を選別してくれ、プラスαの提案をしてくれれば逆に消費者の購買活動が進む。これは、時代の流れ的にも必然なことではないかという仮説を私は持っていました。そこで、たまたま先日連休中の日経新聞に”イエコノミー”という特集のコラムで、このコンシェルジュモデルの解説がなされていましたが、まさに、我が意を得たりです。
記事によると、例えば、生命保険。これは商品内容が分かりにくいし、保険金の不払い問題で保険会社も信用できないというユーザーの声が多く、伊勢丹などが自社のカード会員向けに無料相談を始めたということが紹介されています。なんと1時間半かけて、コンシェルジュが相談に乗ると、半数が契約を見直すと言います。これには、私も一ユーザーとして同感です。こういったニーズにはIT上でも、「ネットライフ企画」という会社がマネックスGrの出資を受けて設立されました。日本生命のOBが社長を務め、副社長には、ハーバードMBAで上位5%の成績で一躍有名になった「岩瀬氏」が就任し、”わかりやすく納得してもらえる保険をつくる”とのことです。
また、もう一件代表的な例で言えば、不動産もあります。こちらは、「さくら事務所」という不動産のコンシェルジュが不動産の仲介手数料を取らずに、相談料や物件への同行などで料金を取るモデルを築いています。コンセプトは、”医師のセカンドオピニオンのような役割”とのことで日経新聞でも紹介されていましたが、なんと多い月には400人が相談に来るそうです。実は、この会社、過去に二社ほど不動産や建築系のクライアントに新規事業コンサルティングをした際に、かなり調査しましたので、やはり目立った存在になってきたかという感じがします。
さて、日経新聞で掲載されていた事例を紹介するのに、生命保険と不動産の二つをご紹介しました。しかし、ユーザーが分かりにくさやサービスにきめ細かさを求める分野は、この二つ以外にもかなりの数があるのではないでしょうか?そのため、業種を問わず、また個人向けか法人向け商売かを問わずに、「●●●コンシェルジュ」という新規事業をブレーンストーミングしてみれば、どんな仮説が立てられるか皆さんにも自社で試してほしいのです。
ちなみに、コンシェルジュのビジネスモデルを新規事業で考える際は、新規事業の位置づけが重要になりますので、少し注意をしてください。というのは、一つは、コンシェルジュそのものを無料にして、自社の本業である例えば物販などに結びつける補完的な事業という位置づけが考えられます。しかし、一方では、さくら事務所のように、コンシェルジュそのものを有料サービスとして、新規事業の核に据えるという位置づけももちろん考えられます。ただし、コンシェルジュそのもので収益を上げるためには、人的依存が高く、労働集約的になるため、売上げの規模や件数を稼ぐのは難しいことにも注意が必要です。
もし、それを解消するのであれば、できるだけオンラインの方にも力を入れる手法。個人向けを皮切りに、法人向けに提供する手法。さらに、同じ法人向けでも自社の事業に関することだけではなく、コンシェルジュの対応範囲を広げ、法人より広範囲にアウトソーシングで請負う事業展開を考えなければ、新規事業のスケール感は出しにくいと思われます。いずれにしても、一つは、コンシェルジュというビジネスモデルで、顧客満足度を向上させるだけの対応範囲と対応の質を追及するコンセプトと、二つ目には押し寄せる情報を選別し、更にセカンドピニオンの役割をして顧客に提供するコンセプトと、二つの切り口がコンシェルジュモデルでは考えられるのではないでしょうか?
一口にコンシェルジュと名乗ってみても、簡単に収益を上げられるほど甘いビジネスモデルではありませんが、新規事業の切り口の一つとしては、本業周りから検討してみて、有効なモデルになるのではないかと私は考えています。
投稿者 compas : 2007年10月11日 18:51
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