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2007年10月11日
コンセプトを何にするか
最近も、研修の仕事が相変わらず多く舞い込みます。ただし、テーマの違いはあっても、私が講義する内容の本質はそれほど差があるわけではありません。テーマが新規事業開発における企画の立案方法であっても、また事業計画書の作成におけるマーケティング戦略の立案であっても。「強みを活用しましょう!コンセプトを明確にしてください!」。この二つは、新規事業に限らず、事業の核になるため、どうしても外せません。
ただし、強みの活用は新規事業開発にとって大切なエッセンスであっても、顧客にとってのメリットとしては疑問符がつく部分はあります。なぜなら、顧客にとって大切なことは提供会社がいかに強みを活用しているのかではなく、あくまでも買う理由があるだけのメリットがあるかどうかだからです。買う理由とはコンセプトそのもののことです。したがって、コンセプトの設定の仕方一つで、強みの活用にも限界が出来たり、また新規事業の企画そのものも変わってくることさえあります。
例えば、最近強みを上手に活用して成功している新規事業として、引越しのアートコーポレーションが手がける”ライフサポート事業”というものがあります。これは先細り感のある引越し業界にあって、家事代行や、保育園の運営など、引越し前後の付属サービスだけではなく、生活に関連していて、なおかつ既存事業とシナジー効果を出せるものとして、展開されておられます。テスト営業期間に1年をあて、その後2006年に事業部を創設して本格化したようです。
さて、この事業におけるコンセプト、それは「暮らしの負担を減らす」というものです。同社は、もともと引越し事業においても、「安く運ぶ」ではなく、価格が割高でも「引越しの負担を減らす」というコンセプトだったため、ライフサポート事業においても、同様のコンセプトを採用しているわけです。ところが、もし同社は、「運ぶ」という部分や、「安く」という部分に固執していたら、どうなっていたでしょうか?価格競争に巻き込まれ、事業の拡大が困難に」なっていたかもしれませんね。
そういう意味では、コンセプトを顧客視点に立って、「〜の負担を減らす」と設定したところに、強みも上手に活用できた新規事業の成功があるのです。新規事業の企画においては、コンセプトの設定が鍵。このコンセプト次第で、強みの活用の出来不出来も、企画のバリエーションも全て変わってくる。私は、少なくともそう思います。発想やひらめきが豊富であっても、コンセプトの軸が定まっていない事業計画書を私はよく見かけますが、コンセプトだけは明確にしておきたいものです。
投稿者 compas : 2007年10月11日 21:05
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