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2007年10月11日

そもそも論を忘れるな!

最新号の日経ビジネスは読んでてとても興味深い内容でした。「ヒット作りの決意 顧客を裏切る」というテーマで、ヒット商品の開発の舞台裏をレポートしたものでした。その中で、三洋電機の「アクア」という洗濯機についての商品開発の舞台裏に、私は目がとまりました。皆さん、ご存知したか?この洗濯機。新規事業担当者は、何にでも興味を持って動向をウォッチしなければダメですよ。さて、この商品のコンセプトはというと、「空気で洗う洗濯機」というもの。実は、このコンセプトに企画づくりの極意が隠されていました。

今まで、白物家電というと、代わり映えのしない製品で最終的には価格競争に陥るしかありませんでした。しかし、三洋電機は、そんな中で、「今までにない、画期的な洗濯機を考えてみろ。5年先、10年先に通用するものを期待している。」という号令を出して、開発を始めたのでした。ところが、どの企業でもある問題ですが、組織が縦割りになっていて、発想が硬直化している状態でした。そこで、横串を通す事業部横断化プロジェクトにより、新商品企画を再スタートさせたといいます。

さて、その企画会議での舞台裏のこと。洗濯機と言えば、水で衣類を洗うもの。しかし、これまでを会議中で疑ってかかり、洗濯機の定義や”そもそも論”からやり直したのです。水とは手段でしかありません。目的は衣類を洗うことです。であれば、水以外でもいいのです。それでは、何で洗えば安全で安く洗えるのかという議論の末に出た答えが、「空気」なのでした。実際には、空気を電気分解して”オゾン”という気体を発生させて、その気体で除菌・消臭して、汚れを分解する方式でした。

しかし、これによって、革ジャンや財布など、本来水では洗ってはいけないというものまで、洗いたいというニーズに応えることに成功したのです。これも、洗濯機とは、そもそも何をするものなのか。今までの方式にこだわる必要はないのではないか。そんな、事業の再定義を行ったからこそ、開発に成功した商品だと思うのです。顧客の声をリサーチして、その最大公約数のニーズに応える商品を開発する。それはそれで、小ぶりのヒットはするでしょう。

しかし、今の時代、それだけではすぐに価格競争に陥って、大胆な設備投資すら出来ない状況に追い込まれます。従って、商品だけではなく、事業開発においても、事業の定義や事業ドメイン、顧客の定義など、”そもそも論”に立ち返って議論をすること。これをなくして、新規事業の成功はありえないと思います。今さらと言わずに、腰を落ちつけて、”そもそも論”を社内でよく話し合って欲しいものです。新規事業開発や事業計画のスタートは、ここからだと私は思います。

投稿者 compas : 2007年10月11日 21:07

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