2008年04月30日

クチコミ×ランキング

CGMという概念が出てきてから「クチコミ」が持つ影響力の大きさは改めて注目を浴びました。そして、そのクチコミやユーザーの評価をネットの仕組みによって自動的にランキングしていこうという試みも自然と定着してきました、つまり、それだけ生活者やユーザーの声が商売に及ぼす影響が大きくなったということです。そのため、新規事業の企画においても、できるだけこれらのキーワードに基づく発想も必要になってくるのではないかと思います。

企画に「クチコミ×ランキング」の仕組みを組み込んでみるという発想方法です。例えば、「アライドアーキテクツ」という会社は、ブログに書いてある商品レビューをランキング表示するサービスを始めました。これはウェブ上にあるレビューを集約して、言及数が多い順に商品をランク付けし、注目度が一目で分かるようにする仕組みです。更に、ランキングのページから直接ネット通販サイトにリンクするため、思い立ったらすぐに購入も出来るようになっています。本日の日経産業新聞にも掲載されていました。

私などは、アマゾンで書籍を購入する際に、いったん他人のレビューを参照してしまいます。もちろん、自分にとって必ずしもそれが正しい評価かどうかは別ですが、ある種安心感を欲しているのでしょうね。こうやって考えると、商品そのものへのレビューは、購買者の心理に大きな影響を与えるため、商品レビューにおける市場や企画は大きな可能性を秘めているのです。ブログで話題のニュースなどをランキングしたものは多いですが、商品レビューのランキングはまだ珍しいとのこと。

どの会社のブログを使っても、登録していれば、レビュー数がランキングに反映されるようになっているため、この分野ではプラットフォームになることすら目指せますね。ちなみに、アライド社は、レビューから実売に至った場合の成果報酬型の広告収入を得るようで、もちろんブロガーにも広告収入の一部が入るようになっています。一見ややこしそうで、実はシンプルなビジネスモデル。私は、今後アライド社のような「クチコミ×ランキング」のモデルは増えてくると思います。

誰もがクチコミの重要性は理解しているはず。でも、それをどのように料理するかで、事業のあり方が変わってきます。私はランキングという切り口で料理をしてみると、面白い企画に仕上がるのがたくさんあるのではないかと考えています。皆さんの既存事業に「クチコミ×ランキング」という仕組みを組み込んでもよし、また新たな企画として作り上げるのもよし。一度、こんなアプローチで企画を検討してみてはいかがでしょうか?

投稿者 compas : 11:52

2008年04月28日

ワガママにとことん応えろ!

これだけ社会が成熟してくると、顧客のワガママにとことん応えた企業だけが勝ち残る。私は、そう思えてなりません。ワガママに応えすぎると、事業の効率が低下する。そう思う方もいることでしょう。それは一面では正解ですが、そうも言っていられないご時世になってきていると頭を切り替えましょう。効率が落ちるというのであれば、ワガママ対応専用の新規事業として本業から分離して、独立採算で展開する方法もあります。

さて、今回はワガママにとことん応え、ワガママ市場を事業化した事例をご紹介しましょう。インターネットサービスのアルカーナ社が展開する「ドリームエクスペリエンス.JP」というサイトを皆さんは、ご存知ですか?読んで字の如く、”夢の経験”を提供するサイトです。例えば、著名カメラマンによる個人の写真集の製作や、自宅をライブ会場に仕立て上げるサービスなど”特別なサービス”を仲介する事業なのです。

サイトを見ると、ショッピングをする感覚で各サービスを選択できますので、お手軽な感覚も持ち合わせていて、とっても面白いですよ。今後、サービスのラインナップを増やし、WEBのデザインも変えていけば、面白い存在になるのではないかと私はウォッチしています。経験を売るというモデルに関しては、結婚式の引き出物を、各種経験(体験)サービスにして提供している企業がありました。それが、もう少しマス化してきたような潮流を私は感じます。

今まで、願望だけで止まっていた”あったらいいな”も上手にパッケージ化して、商品に見立てることで、単なるワガママをワガママに終わらせない動きとして生まれ変わらせることができたわけですね。今までは、本業や既存事業があって、付属的(派生的)にカスタマイズなどでワガママに応じる事業スタイルが一般的でした。つまり既存事業が”主”、ワガママに応える付属事業が”従”という関係性でした。

ところが、ワガママ市場に関しては、この主従関係をなくし、付属事業を本業として切り離して考えてみると、全く別の発想も生まれてくるのではないかと思います。ワガママ市場の切り取り方と、定義の仕方は多種多様ですが、こういったビジネスの潮流は、新規事業においても重要な鍵を握ることには変わりがないようですね。ワガママにとことん応える新規事業を是非、検討してみましょう。

投稿者 compas : 15:58

2008年04月21日

”もったいない”をビジネスに

世の中で”もったいない”と思えることはたくさんあります。こんなもの捨てて、まだ使えるのに・・・という類のものが最も多いことでしょう。さて、その筆頭核に子供向け市場にまつわる商品やサービスがあります。例えば、子供服などは、典型的ですよね。子供が成長すれば、着れなくなるので、捨てるか他人にあげるか、最近ではリサイクルショップに売ったりネットオークションで売りに出すというもの。

リサイクル市場とネット生活の定着で”もったいない”を解消する手段は少し増えてきたように思いますね。さて、ポイントは、この動きを、新規事業にもどう活かすかという部分です。実は、子供市場を考えただけでも、”もったいない”を解消するビジネスは複数考えられます。子供が成長すると不要になるため、初めから買うのがもったいないと思える商品テーマをリストアップしていくだけでも、新規事業のチャンスは見えてきますからね。

例えば、子供服だけではなく、子供向け玩具というのも新規事業のテーマになりえるでしょう。不要になった玩具をリサイクルに出すのではなく、予めレンタルにして必要なときだけ利用するという仕組みを作ることも可能です。ちなみに、米国では「ベービープレー」というサービスで、このレンタル玩具が急速に浸透してきました。0歳から10歳くらいまでの玩具で遊ぶ子供がいる家庭に会員制で玩具をレンタルするサービスです。

1ヶ月4個で月額約37ドルというもの。10個程度まで価格別にサービスが準備されているようです。玩具の種類はサイトから親が選べる仕組みで、1ヵ月後に返送すると次の月の新しい玩具が送られてくるようになっています。レンタルDVDと似た仕組みですね。もちろん、郵送料金もレンタル料金に含まれているので、手軽に利用できますね。玩具は子供が口に入れるリスクもあるので、消毒には細心の注意が必要ですが、かなり、人気のサービスとして急速に広まっているようですよ。

さて、今回は分かりやすい事例として、子供向け市場の事例を見てきましたが、実は世の中には”もったいない”というモノやコトがたくさん落ちています。その一つずつをつぶさに洞察して、皆さんは新規事業に結び付けていくことが可能なわけです。ビジネスチャンスとは、”もったいない”という感情など、あるべき姿と現実のギャップが生じた時に、たくさん見えてくるもの。私は、少なくともそう思います。そのため、そんなギャップや歪みを見つけ、商売のネタとしていくクセを身につけていきましょう。皆さんのまわりの”もったいない”は何がありますか?

投稿者 compas : 17:46

2008年04月14日

常識を疑え!

本日、溜まった新聞を消化するために一気に通読していました。すると、面白い記事のオンパレードだったのですが、今回は一つ面白いビジネスモデルの事例を日経産業新聞からご紹介しましょう。販売期限は過ぎていても品質に問題がなければ購入したいというニーズを捉えた、紅茶の専門店、ルピシアの新業態「ルピシア・ボンマルシェ」のお話です。現在、食品の成分偽装や、期限の偽装などで不安が広がっていますが、思い切った逆張りの発想が同店には織り込まれてます。

同社の従来店では賞味期限の3分の2を”販売期限”と定め、賞味期限が3年であれば販売期限は2年とし、店頭から撤去・廃棄する仕組みでした。ところが品質に問題があるわけではありませんので、それを再販しようという試みですね。それによって価格は平均すると半額以下に抑えることに成功。また、従来店からの商品だけに捉われない仕入れが新業態のポイントでもあります。

それは、取引先のメーカーに品質に問題がなく、販売期限が切れただけで廃棄せざるを得ない商品の提供を働きかけたとのこと。また、ラベルの不具合や廃止となった有名ブランドの食器なども仕入れて、同時に販売していると言います。これにより、”割安”な、「セレクトショップ」が出来てしまうわけです。またターゲットも贈答品から、低価格帯を売れるようになったことで自家用消費に変更することが出来、食材の廃棄量まで抑えることが可能になりましたので、一石三鳥くらいにもメリットが重なったわけです。

なるほど!私は、逆に、こんなご時世にあってこの新業態を立ち上げる勇気ある決断に拍手をしたいと思いますが、冷静に考えれば販売期限には過剰に意識しない顧客層のニーズが底堅くあったんですよね。一見すると、逆転の発想ですが、とっても上手に組み立てられた新業態ではないかと私は思います。ご時世の方向性など常識を疑って、逆転の発想をしてみる試みは、とっても新規事業開発にとって大事なポイントになってきますね。

ムダを出さないというコンセプトで企画を考えた際に、実は、そのムダと思っていたものが、収益源にもなる可能性が充分ある。こんな視点で、新規事業の企画も考えていきたいものですね。今度、早速店舗の視察に行ってみようと思います。

投稿者 compas : 19:22

2008年04月10日

情報の同質化

ネットで何でも検索できるようになってくる時代においては、メリットと同時に多大なデメリットが生じてしまいます。あまりにも、同じ情報を誰もが持つことで、情報の同質化が起きてしまうことです。簡単に言えば、情報は豊富に持てても、皆が同じように情報に頼って商品開発するため、商品まで同質化してきているということです。そのため、私は日ごろから、情報だけに頼りすぎずに、自分の感性や直感を信じましょうと説いています。

ネットが普及するまでは、情報が豊富にすばやく入手できればいいなぁなどと考えていました。しかし、いざ入手できるようになると逆に、頼りすぎになってしまって、革新的な商品やサービスが生まれにくくなってきている負の側面も充分に理解しておく必要が生じてきましたね。しかし、視点を変えれば、だからこそ、感性や直感を信じ、リスクをとった新規事業を行うことで、他社を引き離しにかかることも可能になるわけです。

例えば、婦人靴専門店の卑弥呼という会社は、銀座に”大きいサイズ専門”の「クイーンズ卑弥呼」の中核店を出店しました。同社なんかは、まさに情報の渦に巻き込まれずにリスクをとった新規事業の事例と言えるでしょう。景気が不安定な中で、大きなサイズにターゲットを絞り込むことはハイリスクにも見えるわけですが、同社会長の柴田氏は、「他社は過去の情報に縛られ、リスクを取ろうとしない」からチャンスだと言うのです。

ちなみに、大きいサイズの婦人靴の市場はまだ全体の3%ほどだそうですが、客の視点で見れば優先順位は高いと豪語され、市場を創出していくといいます。市場を見つけるのではなく、あくまでも創出するのです。情報過多の時代においては、チャンスが芽生える一方では、”同質化”という負の側面が露呈されてきます。そのため、大胆にリスクをとって、自分の感性と直感を信じて、新規事業にトライしてみること。これが、実は一番リスクを抑える方法にでもなるのではないかと思います。

情報に流されないこと。ネット検索に頼りすぎないこと。いつも顧客視点に立って、人を直接観察すること。企業に密着して洞察すること。商売の原点は、そんなアナログ的な泥臭い部分にあるような気がします。皆が情報を活用するなら、逆に自社は情報を活用しないくらいの”ヘソ曲がり”な視点が、情報や事業の同質化を防ぎ、イノベーションを起こせる要因になるのではないでしょうか?

投稿者 compas : 17:17

2008年04月05日

販路に注目!

新規事業の相談を受けると私は、まず御社の強みは何ですか?と質問します。それは強みを活用した新規事業を検討した方が成功確率も高いからです。ただ、うちは強みという強みが無いんです〜と経験的には7割ほどの企業がこう答えられます。しかし、本当にそうなのでしょうか?強みがなければ、会社として既に存在しませんよね。そもそも、複数のお客様と既に取引をしているではありませんか?つまり、販路を活かして事業内容を拡張するという発想でもいいのです。

例えば、JTBという会社があります。今や持ち株会社化して、「事業内容は相当多岐に渡っており」、今までもメルマガなどで同社の展開については私も取り上げてきました。さて、このJTBという”旅行会社”は、異業種の分野も含めて相当事業内容の幅が広くなっています。しかし、一見すると異業種の分野へ進出しているようでも、共通項もあります。それは、法人営業にも強く、法人に相当食い込んできたという実績です。

JTBの旅行以外の新規事業の代表例を一つご紹介してみましょう。最新号の日経ビジネス誌にも掲載されていましたが、「株主総会の運営を代行」するという事業です。株主総会の運営は、年々個人投資家の数の増加によって自社業務としては負荷が重くなってきています。そこに、JTBは目をつけたわけです。”会場手配”という部分は、旅行に限らず、自社が蓄積した強みの一つでした。つまり、法人営業で開拓してきた販路に、会場手配という強みを組み合わせた事業が、株主総会の運営代行でもあったのです。

ポイントは会場の調査・手配に留まらずに、スタッフの手配から、招集通知の手配など一貫したサポート体制をとるところにあります。また、株主総会に限らず、海外投資家向けのIRサポートだって事業としては可能になってきますよね。つまり、旅行というドメインにこだわらずに、法人との取引実績を強みにした新規事業で拡張を図っているという構図になっています。

現在、旅行業界は、楽天トラベルや一休COM、リクルートの”じゃらん”などネット媒体が台頭して、簡単には生き残れない時代になってきています。そんな中、旅行というドメインだけにとどまっていては将来も安泰できなくなります。そのため、JTBは、どんどん事業の拡張を図って来ました。私は事業の多角化というと少し重たい感じがしますし、未知の領域に進出するイメージが強くなると思います。

そのため、”事業の拡張”という言葉で、強みを活用した新規事業を検討してみてはどうかと思うのです。その際には、現在取引している販路に注目し、売るものを変更することで、新しい事業領域に踏み出せないかなどを検討してみましょう。

投稿者 compas : 14:19

2008年04月04日

ニーズを組み合わせて考える

AとBを「組み合わせる」ことでCという新しい企画を考える。この”組み合わせ”の企画方法自身は、私が前からコンサルティングの現場でもご紹介してきたことです。では、何と何を組み合わせるのがいいのか?というところが一番ネックになりますね。膨大な数ある現象から有力な組み合わせのための素材を見つけるのは至難の業でもあります。でも、決して難しく考えないで下さい。身近にあるニーズを全てリストアップして、一つずつ組み合わせ見るのです。

身近なニーズを組み合わせて新しい事業を手がけている企業に、マーケティング支援の「レピカ」という会社があります。同社は、中小の小売店や飲食店を対象に、プリペイド(前払い)式電子マネーカードの発行・運営代行事業を展開しています。ポイントは、従来からある顧客情報管理用の「会員証」と兼用できるところにあります。つまり、プリペイドで払いたい(払って欲しい)というニーズと、顧客情報を取得し、リピート対策を行いたいというニーズを組み合わせて電子マネーカードにしてしまったというわけです。

電子マネーカードはチャージが可能で、お店側としては顧客情報の管理まで出来ますから、顧客の属性や購入履歴に応じてキャンペーンの案内や電子クーポンの配信までできます。レピカ自身は、サーバーの運用や決済端末の貸し出しなどを行うことで、バックサポートに務めます。ちなみに、カードの利用者は携帯電話でも残高を確認できるため、利用者、お店の双方にとって便利なシステムと言えます。

前払い式のプリペイドカードは以前よりありましたが、会員証と兼用できるという”組み合わせの発想”で、企画が実現したようです。よくありがちな企画のようですが、中小向けに運用を丸抱えにし、低コストでの導入を可能にすることで、この組み合わせ方式の企画が広がりを出してくるのではないかと私は思います。全く異質なものを組み合わせて考えるのではなく、身近にあるニーズを全てリストアップして、一つずつ組み合わせて考えてみる。こんなアプローチで企画を出すことも、新規事業の企画には大切なことではないかと思うのです。

投稿者 compas : 15:07