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2008年05月07日

本業をいかに超えるか!?

今朝の日経産業新聞には、なるほどと考えさせられる記事が掲載されておりました。カジュアル衣料店の「しまむら」が好決算ではあるものの、連結営業利益に占める単体での利益比率が99.7%にも上るとのことです。つまり、本業以外は全く儲かっておらず、主力業態だけで利益を出しているという意味になります。これは考え方によっては未来への投資が上手くいっていない証拠でもあり、新規事業(同社の場合は、新業態)開発がスムーズではないというものです。

同社は、幼児品専門店や服飾雑貨専門店、靴専門店なども展開されておられます。実は、多角化や新業態の開発を本格化させたのは、約10年ほど前に遡りますす。当時500〜600店舗ほどあった「しまむら」は国内需要は1000店舗が上限と考え、新業態を次々に立ち上げたのです。しかし、1000店に近づくと、目標を2000店舗まで延ばし、店舗形態をきめ細かく変えて都市部などに出る事で出店の限界を突破したのでした。

これだけを見ると一見、それならそれで、いいではないかとなりそうですね。しかし、需要が減少してきている国内市場で単一の業態だけで生き延びることは、至難の業とも言える時代に入っています。そのため、新しい業態開発できめ細かく生活者のニーズに応えていくのか、海外へ出店していくかの選択に迫られていくのが実情でしょう。そう考えれば、未だに本業頼みの会社経営はとってもリスキーであるとも言えるわけです。

ちなみに似たような経営事情は、ユニクロの海外事業が今ひとつパッとしない点や、吉野家が牛丼に支えられている点とも似通っていますね。さて、この点に関し、日経産業新聞では、面白い問いかけがありました。それは「新規事業が超えるべき壁はそれほど高いのか、強すぎる本業に弱い新規事業が頼ってしまうのか。どちらも正解なのだろう。しかし本業の成長エンジンも徐々にブレーキがかかる。」

なるほど、これは物事の本質を突いた指摘ですね。本業が強すぎると、新規事業で成長を目指すことが、社内の風潮もモチベーションから言っても容易ではありません。私はかつて大手玩具メーカーの新規事業コンサルティングに携わったことがありますが、同じようなジレンマがありました。強すぎる既存事業や本業との兼ね合いをどうしていくべきか。これは会社にとって重要な視点だと思います。しかし、新規事業を重ね、企業成長を目指さなければ生き残りさえ難しいこのご時世です。

本業との兼ね合いを新規事業にも定義づけ、本業をいかに超えるかを真剣に議論し、早期に収益化を図らなければどんな企業たりとも余談を許さない状況ではないでしょうか。しまむらをケースにした本日の記事はとっても重要な示唆を与えてくれます。普段、どんな事業を行うのかという企画の議論が多いですが、改めて本業との兼ね合いなど新規事業の位置づけや提議を徹底的に議論することも必要ではないかと考えています。コンサルティングの現場より、これは強く日々感じますよ。

投稿者 compas : 2008年05月07日 17:40