2008年08月21日
組み合わせの新規事業
市場が成熟化してくると、新規顧客の獲得が難しくなってきます。そのため、他社の顧客を奪ったり、他の市場へ進出して、更にその市場のシェアを奪取するなどの、意気込みも時には必要になってきます。しかしながら、いきなり他社から顧客を奪ったり、異業種への進出を新規事業で行うというのは難しいことでしょう。そこで、組み合わせの新規事業から始めてみることをお薦めします。
最近、新規事業や商品開発でもコラボレーションが当たり前になってきました。例えばスターバックスコーヒーとツタヤが組んで共同出店するなど、カフェとの組み合わせが店舗事業では増えてきています。また、衣料品専門店のビームスはセブンイレブンと組んでデザイン性を重視した文房具を売るなど異業種同士の連携は枚挙に暇がありません。
実は、私も数年前に”組み合わせ”の新規事業によってクライアントの業績を向上させたコンサルティング経験があります。クライアントは地方の喫茶店でした。近くにはスターバックスコーヒーやタリーズコーヒーなど都市型のカフェチェーン店が出店し、売上も減少をたどっていました。そこでコンサルティングの依頼が来ました。私は小手先の営業改善ではなく、まさに”組み合わせの新規事業”を提案しました。
その時のコンサルティング内容はこうです。顧客ターゲットの見直しや、メニューの改善は当然のことですが、少しだけ店のスペースを縮小して店先にお花屋さんを一坪ショップ的に組み合わせてOPENさせました。すると、そのショップのディスプレイがキレイなこともあって、嫌でも人が店舗に寄せ付けられてくるだけではなく、待ち合わせ場所としても定着するようになったのです。
いわば、強制的に他の新規事業を使ってでも集客を行い、二段階式で喫茶店の売上も向上するような仕掛けをつくったわけです。見事に戦略がはまりましたね。このように異業種などとの組み合わせの新規事業では、他社の顧客を奪い取るだけではなく、自社の集客向上や新たな客層の取り込み、そして業態開発、収益源の多様化などいくつものメリットが生じてきます。
どんなコンセプトで、どんな業態と組み合わせるのが一番良いかは、新規事業の成否を握るので熟慮が必要でしょう。しかしながら、事業計画を作成する段階では、”組み合わせの新規事業”という選択肢があることを覚えておいて損はないと思います。
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2008年08月14日
代行から始める新規事業
新規事業の企画を考える際に、モノづくりであれ物販であれ、「代行」業で考えてみることが一番着手しやすいのではないかと思います。ビジネスモデルとしては昔からあるもの。しかし、ニッチなテーマの代行を手がけるか、ワンストップ(窓口一つ)で顧客の手間を大幅解消できるかどうかで企画を考えていくと、複数の事業企画が完成するのではないかと思います。
よく私が新規事業をテーマにした経営セミナーでお話しする事例として、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)社があります。同社は、2005年よりITファシリティマネジメント(ITFM)事業を手がけ、これが急成長していると言います。事業内容は、企業のオフィス移転をITから設備の調達、手続きの代行まで一括して請負うというもの。同社の強みを上手に活かした例として秀逸です。
同社は、元々はIT企業です。そして情報システムの設計、構築、運用・保守を手がけるシステム構築会社ですが、2004年に本社を移転した自社の経験を元に事業化を図りました。サービスメニューをIT以外にも広げ、情報部門や総務部門にまたがる各種調整や業務も一括して代行しますから顧客にとっては効率向上とコストダウンを図れるわけです。更に、期間も通常6ヶ月かかるところを3ヶ月に圧縮することも可能に。
昨年度では270件受注し、今年度は前年比3割り増しの約70億円を計画していると言います。各オフィス関連用品のメーカーもITインフラの構築事業を手かげていますが、技術の進化が激しい時代にCTCのような専門企業には勝てないわけです。それを逆手に、今度はCTCがITでリーダーシップを取り、他の専門企業と上手に提携して展開していく流れをつくっています。
新規事業の企画において、まずは「●●代行」の●●に当てはまる部分を考えてみましょう。そしてこの部分には、自社の強みが活かせる部分を当てはめてみましょう。次に、顧客のバリューチェーンにおけるどのプロセスのどんな困りごとがマッチするのか検証してみましょう。そして、そのテーマがニッチなのか、ワンストップでより広い範囲をカバーする代行になるのか戦略を絞り込みましょう。私は事業開発における代行業のステップとして、こんなことをクライアントのコンサルティング現場でお話を行います。
私のようなコンサルタント業も、広い意味での代行業とも言えます。事業計画書の作成を支援することも、事業計画作成代行業と言えなくもないですからね。こうして考えると、多くの業界で、代行ビジネスが考えられるのではないかと思います。是非、新規事業の企画や立上げを担当されている方は、代行ビジネスという点でも事業開発を考えてみましょう。
最後になりますが、企画を考える際は、”アウトソーシング”などと横文字を使わずに、「代行」など漢字を使って企画するのが一番良いかと思います。事業開発のコンサルティングの場面では、横文字ではなく漢字で考える方の方がよい企画を生み出しているように見受けられます。この方がより具体性を持ち、顧客の腹に落ちる企画が出来るからではないかと私は考えています。シンプルだけどとっても有効打としての「代行」モデルを新規事業でも考えてみましょう!
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2008年06月22日
チェーン型サービス業
私は、サービス業には2種類のビジネスモデルがあると考えています。一つ目は、「チェーン型サービス業」、そして二つ目は「カスタマイズ型サービス業」です。前者は、コンビニエンスストアやFC展開する飲食店が代表例です。そして後者は、システム開発やコンサルティングなどの事業所向けサービスに多く見られます。さて、これら二つのモデルを考えた時にどちらを選択するかということは、新規事業にとっても重要な選択になります。
最終的に目標とする規模のイメージによって、選択するモデルは異なります。逆に、ビジネスモデルが、カスタマイズ型なのに、不必要にチェーン型を目指すと、その質が落ちるなどの難しい側面があります。そのため、事業のスケール感、ビジネスモデルを充分に吟味して、新規事業の事業展開も検討していく必要がありますので、注意しておきましょう。
さて、新規事業のアイデアをカタチにして、企画にする際にも、実はこのビジネスモデルの選択が重要になってくることを理解しておきましょう。例えば、小規模事業者が群雄割拠し、覇権を取る企業がいない場合。これはチェーン型を選ぶと、ブレークスルーする可能性があります。かつての理髪店なども、そう言えるかもしれませんね。逆に、チェーン型が当たり前の世界に、カスタマイズ型を持ち込むと、これも飛躍の可能性があります。既成の紳士服チェーンの世界にオーダー型のお店を出店するなどです。
皆さんは、新規事業の企画段階において、ビジネスモデルを考える際に、大雑把にどちらのモデルを選択するかイメージしていますか?意外にも、これを理解しておくのとしておかないのでは、差がつきますので、注意しておきましょう。例えば、クリーニング業の「喜久屋」という会社があります。同社は、既存のクリーニング屋という業態に捉われず様々な新規事業に挑戦されています。
同社は、地域密着や小規模事業者が多いクリーニング屋という業態の中で、マンションの居住者向けに全国レベルで、クリーニングを請負うサービスを始めました。仕組みは、マンションの管理会社が居住者に提供するクリーニングを請負い、全国約20のクリーニング会社と提携することで全国規模で統一したサービスを提供するというものです。マンションの居住者向けには、一棟ごとに管理会社より請負う方式が多かったところを、全国的に請負うモデルに挑戦するという試みです。
全国から、同社がオーダーを受ける窓口となり、提携する各地のクリーニング会社を紹介。決済やクレーム対応も同社が一括して請負い、いわば擬似的なFC本部の役割を行うというものです。同社の仕組みに加盟する企業は、ロイヤルティを売上の10%払う必要がありますが、コンスタントに仕事が獲得できますので、メリットが出ます。この事例などは、まさにカスタマイズ型のビジネスをまとめて、チェーン型に仕上げるモデルと言えますよね。
ちなみに、今後同社では加盟のクリーニング企業を400〜500社まで増やすと同時に、販路開拓のためにマンション向けにコンシェルジュサービスを手がける「クオリティライフ・コシェルジュ」社と業務提携したほか、宅配ボックス管理の「フルタイムシステム」社とも業務提携したといいます。今後、このチェーン型サービスへの取り組みは要注目ですね。
新規事業では、事業ドメインを設定することも大事、そしてアイデアや企画内容も大事。しかし、的確な事業計画を作成するためには、ビジネスモデルの充分な吟味も大事になります。その中でも、目標から逆算して、どんなモデルを選択するのかも、とっても大事なことを覚えておきましょう。チェーン型とカスタマイズ型のどちらが良いのか。熟慮してみましょうね。
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2008年04月30日
クチコミ×ランキング
CGMという概念が出てきてから「クチコミ」が持つ影響力の大きさは改めて注目を浴びました。そして、そのクチコミやユーザーの評価をネットの仕組みによって自動的にランキングしていこうという試みも自然と定着してきました、つまり、それだけ生活者やユーザーの声が商売に及ぼす影響が大きくなったということです。そのため、新規事業の企画においても、できるだけこれらのキーワードに基づく発想も必要になってくるのではないかと思います。
企画に「クチコミ×ランキング」の仕組みを組み込んでみるという発想方法です。例えば、「アライドアーキテクツ」という会社は、ブログに書いてある商品レビューをランキング表示するサービスを始めました。これはウェブ上にあるレビューを集約して、言及数が多い順に商品をランク付けし、注目度が一目で分かるようにする仕組みです。更に、ランキングのページから直接ネット通販サイトにリンクするため、思い立ったらすぐに購入も出来るようになっています。本日の日経産業新聞にも掲載されていました。
私などは、アマゾンで書籍を購入する際に、いったん他人のレビューを参照してしまいます。もちろん、自分にとって必ずしもそれが正しい評価かどうかは別ですが、ある種安心感を欲しているのでしょうね。こうやって考えると、商品そのものへのレビューは、購買者の心理に大きな影響を与えるため、商品レビューにおける市場や企画は大きな可能性を秘めているのです。ブログで話題のニュースなどをランキングしたものは多いですが、商品レビューのランキングはまだ珍しいとのこと。
どの会社のブログを使っても、登録していれば、レビュー数がランキングに反映されるようになっているため、この分野ではプラットフォームになることすら目指せますね。ちなみに、アライド社は、レビューから実売に至った場合の成果報酬型の広告収入を得るようで、もちろんブロガーにも広告収入の一部が入るようになっています。一見ややこしそうで、実はシンプルなビジネスモデル。私は、今後アライド社のような「クチコミ×ランキング」のモデルは増えてくると思います。
誰もがクチコミの重要性は理解しているはず。でも、それをどのように料理するかで、事業のあり方が変わってきます。私はランキングという切り口で料理をしてみると、面白い企画に仕上がるのがたくさんあるのではないかと考えています。皆さんの既存事業に「クチコミ×ランキング」という仕組みを組み込んでもよし、また新たな企画として作り上げるのもよし。一度、こんなアプローチで企画を検討してみてはいかがでしょうか?
投稿者 compas : 11:52
2008年04月14日
常識を疑え!
本日、溜まった新聞を消化するために一気に通読していました。すると、面白い記事のオンパレードだったのですが、今回は一つ面白いビジネスモデルの事例を日経産業新聞からご紹介しましょう。販売期限は過ぎていても品質に問題がなければ購入したいというニーズを捉えた、紅茶の専門店、ルピシアの新業態「ルピシア・ボンマルシェ」のお話です。現在、食品の成分偽装や、期限の偽装などで不安が広がっていますが、思い切った逆張りの発想が同店には織り込まれてます。
同社の従来店では賞味期限の3分の2を”販売期限”と定め、賞味期限が3年であれば販売期限は2年とし、店頭から撤去・廃棄する仕組みでした。ところが品質に問題があるわけではありませんので、それを再販しようという試みですね。それによって価格は平均すると半額以下に抑えることに成功。また、従来店からの商品だけに捉われない仕入れが新業態のポイントでもあります。
それは、取引先のメーカーに品質に問題がなく、販売期限が切れただけで廃棄せざるを得ない商品の提供を働きかけたとのこと。また、ラベルの不具合や廃止となった有名ブランドの食器なども仕入れて、同時に販売していると言います。これにより、”割安”な、「セレクトショップ」が出来てしまうわけです。またターゲットも贈答品から、低価格帯を売れるようになったことで自家用消費に変更することが出来、食材の廃棄量まで抑えることが可能になりましたので、一石三鳥くらいにもメリットが重なったわけです。
なるほど!私は、逆に、こんなご時世にあってこの新業態を立ち上げる勇気ある決断に拍手をしたいと思いますが、冷静に考えれば販売期限には過剰に意識しない顧客層のニーズが底堅くあったんですよね。一見すると、逆転の発想ですが、とっても上手に組み立てられた新業態ではないかと私は思います。ご時世の方向性など常識を疑って、逆転の発想をしてみる試みは、とっても新規事業開発にとって大事なポイントになってきますね。
ムダを出さないというコンセプトで企画を考えた際に、実は、そのムダと思っていたものが、収益源にもなる可能性が充分ある。こんな視点で、新規事業の企画も考えていきたいものですね。今度、早速店舗の視察に行ってみようと思います。
投稿者 compas : 19:22
2008年02月21日
ビジネスモデルの進化×深化
新規事業開発の成功の鍵とは何でしょうか?多くの方が“アイデアの良し悪し”だと考えています。しかし、良いアイデアだからといって高収益を獲得出来るとは限りません。あくまでも良いアイデアと「良いビジネスモデル」が組み合わさって初めて高収益を獲得することができるのです。では、「ビジネスモデル」とは何でしょうか?一言で言うと、「儲かる仕組み」のことです。さらに平たく言えば「お金の流れ」とも言えます。ここでは事業計画の核となる「ビジネスモデル」の考え方を、ご紹介していきましょう。
1.「7つのビジネスモデル」を使いこなそう
世の中にあるビジネスの仕組みは大別すると7つに分類できます。(1)モノづくり型、(2)モノ販売型、(3)施設・店舗型、(4)高付加価値代行型、(5)ノウハウ・知恵提供型、(6)情報提供型、(7)ネットワーク型の7つです。つまりお客様に価値を提供してお代を頂くパターンが7つあるということです。さて、新規事業開発においては、アイデアのイメージを具現化するために、イメージをビジネスモデルに進化させて事業計画を作成していかなければなりません。そのため、ビジネスモデルのパターンを知っておくことは、とっても重要なことでもあります。
2.初心者のための「3つの型」
例えば皆さんが、今マクドナルドの新規事業担当者だったとします。そして会社から与えられた新規事業のテーマが、「健康」と「女性」だったとしましょう。では、女性にとって健康な新規事業を行うというアイデアが出たら、まずは基本的な「3つの型」で考えてみましょう。「1.」で述べた(1)〜(3)を使うわけです。例えば毎日食べても太らない女性向けのハンバーガーを作る「(1)モノづくり型」、ダエイエットに効くハンバーガー製作キットを通信販売する「(2)モノ販売型」、低カロリーメニューだけを揃えた女性専門店などの「(3)施設・店舗型」というように、アイデアイメージを進化させてみるのです。
3.競合に打ち勝つための「4つの型」
さらに、競合に打ち勝つために、「4つの型」で更に変化をつけます。「1.」で述べた(4)〜(7)をフル活用するわけです。 例えば企業の社員食堂から健康に意識の高いOL向けのハンバーガー製造代行を行う「(4)高付加価値代行型」、女性の顧客データを活用して他社向けに商品企画支援を行う「(5)ノウハウ・知恵型」、健康で手軽に食せるレシピの情報サイトを作成して広告収入を得る「(6)情報提供型」、マクドナルドのファンでダイエットに関心のある女性の会員制健康クラブの立ち上げなどの「(7)ネットワーク型」というように更に進化させていきます。
4.アイデアの「進化」と「深化」
冒頭でお話したとおり、新規事業はアイデアだけでは勝負が決まりません。このアイデアをビジネスモデルとして「進化×深化」させて初めて強い新規事業が出来上がります。顧客企業の事業計画を拝見すると、ビジネスモデルの検討が希薄であることをよく感じますが、事業立ち上げ前のフェーズでは、ビジネスモデルに命を賭ける覚悟で取り組んで頂きたいと思います。
ビジネスモデルとはアイデアを増やすだけではなく、高収益を獲得するための最大の手段であることを覚えておきましょう。アイデアを「進化×深化」させ、一度じっくりとビジネスモデルを検討してみてはいかがでしょうか?
投稿者 compas : 09:44
2007年11月20日
様々なタイプの新規事業
様々なクライアントで日々新規事業開発の案件に私は携わっています。ところが、新規事業と言っても、企業によってその捉え方は様々です。単なる商品開発やサービス企画を新規事業と言う企業もあり、販促企画までを新規事業という企業もあり、定義は様々です。また新規事業の目的も各社異なります。将来の本業になり得る収益の柱を作るという従来的な目的から、人材育成のため、競合対策のためなど、まさに多様化しているというのが実情です。しかし、それ自身は問題ありません。問題なのは、目的がなく”なんとなく”というものです。
驚かれることですが、意外にもこういう企業が多いものです。しかし、目的を明確にし、定義を明確にしなければ、事業の企画自身も収拾がつかなくなりますので、注意が必要です。さて、今回は従来的な意味とは異なる新規事業のあり方についてご紹介していきましょう。”副次的商法”というものです。呼び方は何でもいいのですが、「既存事業の売上を上げることを目的とした新規事業」という定義で考えれば分かりやすいでしょうか。そのため、極論ですが、場合によりこの新規事業は赤字でも意味があるのです。
例えば、かつて私は中小企業の業績改善や営業改革など営業面全般から、比較的小さな規模の会社の支援も行っていました。実は、副次的商法とは、そこでよく行っていた一つの新規事業のあり方なのです。例えば、岐阜県のある喫茶店を営むオーナーからは、駅前に出来たスターバックスなどチェーン店の影響で、集客が厳しくなったと、もう5年以上も前に相談がありました。メニューも悪くない、そして戦略も意外にも明確になっている。しかし、当時破竹の勢いでヒットしていたスターバックには何をやっても、太刀打ちできない状態だったのです。
そこで、こうなれば力技で集客するしかないと思い、副次的商法としての新規事業を提案したのでした。それは、店舗の面積を少し削って、坪効率を高めましょう。さらに、面積を削った分、喫茶スペースの前に、お花屋を開きましょうと。つまり、フラワーカフェと名づけた複合店を低コストなリニューアルによって行ったのです。結果、どうなったでしょうか?平たく言えば、花で女性をひきつけ、待ち合わせ場所にもして頂き、喫茶スペースにまでお客を引っ張ってくることに成功したのでした。これなら、スターバックスとは異なるポジショニングができるわけですね。
もちろん、お花屋も利益は出ましたが、喫茶店は一気に息を吹き返したのです。もし、お花屋が利益が出なくても、喫茶スペースでの利益が倍増すれば、それで問題ないわけです。そのため、この副次的商法としての新規事業は大成功をおさめたのでした。私は今回、分かりやすい飲食業を例にとりましたが、例えばBtoBであっても、この商法は使えますので、一度検討されてはいかがでしょうか?大切なことは、新規事業の目的を明確にすること。そして本業を補完するための新規事業もあるということを覚えておいて欲しいのです。
ちなみに、昨日は、日本では初となるミシュランのレストラン格付けが発表されたようですが、これなども同様のビジネスモデルです。ガイドブックを発行している会社は、フランスのタイヤメーカーであるミシュランですよね。そもそも、なぜミシュランというタイヤメーカーがレストランガイドなんでしょう?これは、1900年のパリ万博が開催された年に、ミシュランが車の文化を広げるために、車に乗って遠方でも行きたい価値のあるレストランを紹介し始めたことが発祥とのことです。
平たく言えば、タイヤを売るためには車の文化を広げて、タイヤが磨耗してもらわなければいけない。そのために、このガイドブックを無料配布することを思いついたということでしょう。つまり、タイヤを売るための新規事業だとも言えるわけですね。将来の収益の柱をつくるのも一つの新規事業。しかし、このような副次的商法も、重要な新規事業になり得ることを頭の片隅に入れておきましょう。
投稿者 compas : 16:49
2007年10月31日
何に重点を置くのか
ビジネスモデルのパターンを数多く知っている人は、それだけ事業企画に関しても量を生み出すことが可能になります。しかし、ビジネスモデルを作るだけでは儲かる事業計画を作ることは出来ません。そこには、何に重点を置いたコンセプトで、何で稼ぐのかという「コンセプトと収益源の重点の一致」が必要だからです。お客に受け入れられ、お金の流れができても、稼げなければビジネスにはならないという、ごく当たり前のことにも注意が必要です。
例えば、私が過去3年間に携わってきた社内ベンチャー支援の中で、最も多く挙げられた企画に基づいて考えてみましょう。それは「カフェ事業」です。新しいコンセプトのカフェもあれば、既存のもの同士を組み合わせた複合カフェもありましたが、本当に多くの企業で真っ先に挙げられる新規事業のテーマでした。時流というのもありますが、カフェを本業とせずとも、カフェという付加価値をフックにして、新たな顧客を取り込んだり、新しいサービスを展開していくということが多いようですね。
さて、ここで考えていただきたいことがあります。カフェ事業の本質は何ですか?と。基本は飲食業です。つまり、収益源という意味では、ドリンクなど利益率の高い飲食が中心になるべきなのですよね。ただし、この飲食業もコンセプトによっては、必ずしも飲食売上で稼ぐ必要はありません。飲食業に引っ掛けて、別の価値をお客に提供するのであれば、飲食売上という収益源を少なくしてもOKなのです。
例えば、「トラベルカフェ」というお店があります。同店は、旅をコンセプトに、ニューヨーク風、バリ風などと観光スポットの内装でお茶を楽しめる仕組みにしています。飲食売上はもちろんのこと、各国の政府観光局をスポンサーにつけたり、旅行の取次ぎなども行うことで、非飲食の分野も比重を高めていることに特徴があります。まさに、コンセプトを徹底的に磨き、コンセプトどおりの収益源でビジネスを展開するというパターンですね。
また、最近では、旅に絞っていたコンセプトから、店を「メディア」と位置づけ、広告媒体としてのカフェ事業へ進化していったことにも特徴があります。なんといっても、社名も11月11日付けで、「インストアメディア社」に変更するくらいの意気込みですからね。昭和の情景を描いた「ALWAYS 続・三丁目の夕日」という映画とタイアップして昭和を感じさせる店舗も11月にはオープンさせます。期間限定とはいえ、東京への客数増を狙う日航をスポンサーにつけて、PR用のカフェと位置づけてしまう。
なるほど、誰しもが考えそうな事業展開ですが、会社のミッション、店舗コンセプト、そして事業展開の方法まで一貫性が徹底して保たれていますよね。また、本題である収益源の重点も、事業の定義を変更することに伴い、飲食から広告メディア収入に移行していっていますよね。つまり、カフェ事業と一口に言っても、コンセプトを何にするのかによって、収益源も全く変わってくるということなのです。
カフェというのは分かりやすい事例なので今回取り上げてみましたが、カフェに限らず多くの事業計画書は、総花的になりすぎているという現実があります。コンセプトはお客に受け入れられているのに、儲からないパターンに陥っている事業計画書は、収益源など何に重点を置くのかが明確になってないことに問題があります。ビジネスモデルバカや戦略バカになりすぎてしまって、肝心の収益源の重点性が不明確になっているということをよく見受けますので、注意をしたいものですね。
コンセプトから戦略、そして最後に収益源に至るまで、”一貫性”を徹底的に保つこと。これがビジネスモデルの設計にとって、一番の成功の鍵となることでしょう。我々コンサルタントという職業も、難しい話をしたいのではありません。あくまでも、一貫してない部分のズレを調整するところに、仕事の醍醐味と意義があるだけなのです。少なくとも、私はそう思うのです。
投稿者 compas : 09:42
2007年10月12日
成果報酬型のビジネスモデル
システムの調子が悪く、長期間更新されずにすいませんでした。
さて、気持ちを入れ替えまして、今回はビジネスモデルについて考えてみたいと思います。「成果報酬」型のビジネスモデルは、現在あらゆる分野で浸透してきました。例えば環境分野で言えば、ESCOというカテゴリーもそうですよね。顧客企業の省エネを支援し、省エネによってコストダウンできた場合は、ダウンできた金額の半額を後でいただくというモデル。あるいは、人材紹介のように、求職者と求人企業が成約した時点で仲介手数料をいただくというモデル。
この成果報酬というモデルは、顧客からすれば成果が出た時にだけ代金を支払うという、とても納得感が得られるモデルですね。そのため、もっと様々な分野で導入が広がってもいいのではないかと私は常日頃考えています。言い換えれば、新規事業開発において、検討中の企画は、成果報酬型のビジネスモデルにしてみた場合に、どうなるであろうか?そんな風な視点を持って、事業企画に捻りを入れてみることも大事なのではないかと考えています。事業者側にとっては、成果が出なければ報酬を得られませんので、とっても厳しい環境が待っています。
しかしながら、時代は納得感のある価格を求めていますので、企業側のエゴを捨てて、常に商品の質を高める努力を怠ってはいけません。さて、これはIT業界でも、広がってきているビジネスモデルであることにも注意が必要でしょう。PC版のホームページ制作も、無償で制作し、そのサイトによって資料請求や商品の購入があったときだけ、課金していくようなスタイルです。これは、不動産業界や旅行業界向けなど業界特化型で、成果報酬モデルのホームページ制作会社が急増しているようです。
また、この余波は携帯電話の通販サイトの構築・運営というところにまで来ているようです。例えば、システム会社の「ビートレンド」は11月から、携帯電話用の通販サイトを初期費用をかけずに出来高払いの利用料だけで構築・運営できるサービスを始めるようです。具体的には月額利用料は売上高が百万円未満なら無料。売上高が百万以上なら、百万円ごとに一万円かかるという仕組みのようです。独自に開設した汎用の携帯サイト作成・運営システムをASP方式で提供することで、価格を抑える方向とのことです。
さぁ、皆さんが検討中の企画や、既存の事業に成果報酬型のビジネスモデルを取り込んだ時に、どんな事業が検討できますか?私は、多方面で、このビジネスモデルの浸透がなされていくと考えています。これは、時流の一つでもあると思うからです。
投稿者 compas : 17:05
2007年10月11日
少し違った角度から
一般的に商社と言えば、モノを右から左に流して利潤を稼ぐ業態のため、旧態依然としたモデルでは、”中抜き”といわれる時代に生き残りが難しいと言われてきました。それは、私も商社にいた時代がありますので、よく分かります。しかし、同じ商社でも、”少し違った角度から”コンセプトをつくり、ビジネスモデルを組み立てれば、いくらでも成長の余地はあると私は考えています。今回は、半導体・電子部品商社の「コアスタッフ」を事例にとって考えてみましょう。
半導体と言えば、スピードが命の常に激変している業界。そんな業界にあっては、購買側は短納期で探すことを迫られ、商社側は在庫のリスクと常に戦うことを強いられてきました。私も商社で半導体の営業をしていたのでよく分かります。しかし、コアスタッフ社は、”部品を売る商社”ではなく、スピードを切り口に、”部品の調達アウトソーシング”という切り口で、多様な販売形式を持っています。通常は、量がさばける量産品向けの半導体しか販売しないのですが、同社は競合と異なり、入手が困難なものや、試作品段階の小ロットなものなど真の調達アウトソーサーを目指しているようです。
”購買代行”というコンセプトは、金型部品の通販モデルで成功したミスミが提唱した秀逸なコンセプトで有名で、商社という商社は、皆これを真似してうたっています。しかし、その実態は、やはり単に販売しているだけ。本当に代行するなら、特に入手困難なものや他社が手がけたくないものにこそ力を入れなければ、本当の顧客のニーズは満たせないわけです。コアスタッフ社は、調達の代行から倉庫スペースの貸与、在庫管理までも請負いますので、まさに真のアウトソーサーと言えるでしょう。
さて、コアスタッフが手がけるビジネスの中には、余剰電子部品の転売ビジネスというものまであります。メーカーや他の商社が抱える余剰在庫を同社が預かって、独自の販路やWEBで販売して利ざやを稼ぐというモデル。在庫リスクを抱える他社からすれば、不良在庫を少しでもさばいて資金を回収したいため、とっても喜ばれるわけです。同社では、さらに転売ビジネスを本格化させるために、専用の倉庫や物流拠点を大幅に拡充していっています。
どうでしょう?単なる商社なら、簡単に成長することは難しいでしょう。しかし、同社のように真にアウソトーサーに徹するなら、充分勝ち残る余地はあると私は思うのです。ちなみに、同社はまだ年商8億円程度ですが、2000年創業の、後発企業ですからね。つまり、既存の仕組みの中でどう新規事業を組み立てるかという発想では難しいことも、少し違った角度から切り込んでいけば、高収益なビジネスモデルを組み立てることも可能になるのです。
既存の枠組みの中から発想するのをやめ、新規事業の企画やビジネスモデルの組み立ては、少し違った角度から攻めてみましょう。きっと、良い気づきが得られるはずです。
投稿者 compas : 21:11 | コメント (0) | トラックバック
黒子になってすべてを請け負おう!
何かを請け負う、代行するというのは昔からよくあるビジネスモデルでした。そのため、単純請負のビジネスモデルというだけでは、なかなか競争力が持てないということが現実問題としてあります。そこで、私は、請負ビジネスや代行ビジネスにおける成功の鍵は、「請け負うテーマ」と「黒子となるポジション」としています。「請け負うテーマ」はできるだけ、競合環境が緩いテーマの方が高収益なビジネスが展開できます。またメジャープレーヤーとして展開するのではなく、「黒子となるポジション」をとって、バックヤード部分で隠れた大企業を目指すことで、競合環境の緩い市場で、独占企業になれる可能性があります。
こうして考えると、いかにど真ん中の市場で正面から競合と戦いを挑むのかではなく、大きな市場でいかに”楽して”勝つのかという不戦勝のコンセプトで事業開発をしてみることが一番適切な選択だと思います。例えば、山梨県にソフトウェア開発事業を展開する「インターフェース・テクノロジー」は、家電製品をはじめとする”マニュアル”をテーマにした事業展開をされています。マニュアルのデジタルコンテンツ制作請負、マニュアルのポータルサイト運営など、各業界のマニュアルに関する部分を一手に引き受けようとしているわけです。
一見すると、とってもニッチな市場に見えますが、マニュアルが必要な業種は多岐にわたっていることを考えれば、同社のビジネスチャンスは莫大であることが想像できます。また、マニュアルなど顧客対応の部分は、アウトソーシングを活用したいメーカーも多いわけですから、このようなニッチなテーマで黒子としてポジションを築ければ、同社の価値は一層高まっていくことでしょう。最近では、保険会社から保険の約款をインターネット上で解説するコンテンツ作成の請負事業を始めるなど、その裾野を新規事業として広げていっています。
また、最近では、「エコ」というコンセプトも織り込み、マニュアル類のデジタル化を推進していくことで、紙の削減が可能になり、森林保護にもつながることを訴求しています。ちなみに前述した保険の約款に関しては、業界全体で現在新規契約は年間で1500万件あり、1商品あたり平均200ページの約款があると言います。そのため、業界全体でページ数を半減させた場合、15億円のコスト削減と50ヘクタール以上の森林を保護できるとも言います。地方の一ベンチャー企業の事例ではありますが、同社の展開は、私も非常に注目しております。
さて、話を戻します。ビジネスモデルのひとつの型として、請負や代行ビジネスがありますが、「ニッチなテーマで、黒子になって独占企業を目指す」という選択肢。これは、資本力や技術力だけで勝負をしないための、事業開発の企画としては、有効打になるのではないでしょうか?人の見えない、人の見てない視点を常に持ち、目立たない市場で独占企業を目指すような新規事業の企画を考えること。これは、一考の価値ありだと私は思います。
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オーダーメイドを新規事業にも活かそう!
オーダーメイドというビジネスモデルは、昔から存在してきました。メリットは個々のニーズに対応でき、高収益なこと。デメリットは、手間がかかるため生産性の向上が難しく、規模の拡大が難しいことでもあります。しかし、今やニーズが多様化している時代。このオーダーメイドビジネスのモデルを抜きにして、新規事業も語れなくなってきているのではないでしょうか?私も新規事業のコンサルティングや事業計画書の添削をするときなどには、オーダーメイドのビジネスモデルを検討し、アドバイスをすることがよくありますよ。
オーダーメイドは、生産性の向上などデメリット部分が解消できるのであれば、有望な新規事業の企画になりえると私は考えています。ところで最近、日経産業新聞でオーダーメイドのサービスで、面白いビジネスモデルを発見したので、ご紹介したいと思います。これは、「ソニーミュージック・ダイレクト」が手がける「廃盤復刻サービス」です。ビジネスモデルの本質は、”ロングテール”であり、”投票システム”にあります。普通に個別のニーズに応じて復刻版の製造をしているだけでは、もちろん採算が取れません。しかし、同サービスでは、ネットで一定のリクエストと予約が集まれば、過去の音楽やアルバム、ライブ映像をCDやDVDとして復刻する仕組みにしているのです。
このリクエスト式というのは、結構、鍵になっていて、自分の希望する曲がどれほど支持を集めているのか、また本当に製造されるのかなど、ある種のワクワク感を提供することが可能になっています。また、ファン同士で、思い出の作品が復刻されるまでの過程を共有できたり、SNSで思いを語り合うという現象も生まれているのです。リクエスト数が一定数に達すると、正式な予約受付をサイトで開始するのですが、CDやDVDが自宅に届くのは、企画成立から約一ヶ月後。当時のアナログ音源をデジタル化して、収録し、ジャケット写真も当時のままにすると言います。
このモデルでは、新譜のように大量に売れるわけではありませんが、確実に特定のニーズを取り込み、過去の資産や強みを活用できるという点では、理にかなっているビジネスだと私は思います。また、対象を”大人”にしているところも、客単価などを考えれば、ビジネスの鍵でもあると思いますね。単にオーダーメイドにするのではなく、あくまでもリクエスト式にして、期待感を共有するという意味では、投票式のオーダーメイドモデルは、新規事業としても効果的なビジネスモデルではないでしょうか。
私は、家電分野で、「空想生活」というモデルに以前より着目してきましたが、ここに来て裾野が広がり始めてきたようです。オーダーメイドをどう新規事業の企画に取り込んでいくのか、真剣に考えたいビジネスモデルでもありますね。一度、検討してみましょう!
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こんな時代に物々交換?
私は以前から、”物々交換”のビジネスモデルをうまく活気付けられないかと考えてきました。物々交換は、物自身ではなく、ナップスターやウィニーのようなファイルデータ交換などで広がりましたし、物ではなく、例えば人の作業と知恵を交換するというモデルも成立するのではないかという仮説を持っていました。皆様はどう思いますか?私はネットでも、この種の物々交換のビジネスはたくさん考えられるだろうなと思っていたところ、確かにありました。「トリカル・ウェブコミュニケーションズ」という会社のプレスリリース記事を発見したのです。
同社は、物々交換支援サイトの「トリカル」を開設し、CD・DVD・ゲームで欲しいもの、不要な持ち物を登録してもらって利用者同士の希望が一致すれば交換できる仕組みを構築しました。サービス料は無料で、同社自身はサイトに掲載する広告などで収益を確保するようです。物々交換サイトは今までもちょくちょくとありましたが、手軽さを売りにする戦略です。なんといっても、利用者が、商品をオークションのように自分で写真を撮る必要が無い仕組みにしています。アマゾンの商品データベースと連携させ、商品登録の際は、品物の名前などをここから検索できるようにして、商品の状態を選択するだけで出来る手軽さです。
これは、先日の日経産業新聞にも掲載されていました。それによると、サイトでは自分が欲しい商品の持ち主を一覧でき、その中の一人に交換を提案できる仕組みです。相手が欲しい商品を持っていない場合は、他の持ち物を代替商品として提示すればよく、両社が交換に合意した時点でトリカルのシステムが住所を互いに公開するようになっています。ヤフーも物々交換のサイトは始めていますが、トリカルのように交渉のマッチングまで自社の管理画面上で処理する例は、まだまだ少ないという点で同社にアドバンテージがあるようです。
物の状態は不安な点もありますが、オークションと違って金銭詐欺が少ないことも、このビジネスモデルの特徴になっています。今後は、携帯でのサービスも順次開始していくそうですが、私はゲームやCDなどのメディアに限らず、ありとあらゆる分野で”物々交換”のビジネスモデルによる事業が展開されていくのではないかと考えています。これをBtoBで考えるとどうなるでしょうか。リサイクルやメンテをした後の転売ビジネスなど今ある既存のものを活用したビジネスが、商品を問わずに行われているため、物々交換も何らかの方法で事業化されることが普通になってくるのではないかと私は考えています。
ポイントは、冒頭に挙げたように、物だけではなく、目に見えないサービスの交換や知恵の交換というものも、発展形では出てくるかもしれませんね。ここは、一度ベタに物々交換というビジネスモデルで新規事業を考えてみませんか?ユニークですが、大きな市場を掘り当てることが可能になるかもしれませんよ。
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無料というビジネスモデル
最近、あらゆる業界で”無料”とうたうサービスや事業が増えてきたように思います。もちろん、販促策の一つという場合もありますが、その多くは広告収入モデルを築こうというもの。特にネットの世界ではこの動きが顕著のようですね。さて、それでは新規事業開発において無料が主体のビジネスモデルは築くことはできないでしょうか?販促策と広告収入などいくつかの手法を組み合わせ、無料というトリガーで顧客を獲得し、シェアやブランドポジションを築いていくモデル。私が、その無料モデルで、一番分かりやすく、また注目している企業の一つが、「ソースネクスト社」です。
同社は、書店などで低価格なパソコンソフトを販売していることでも有名な企業です。しかし、低価格のパソコンソフトを販売するだけではなく、セキュリティソフトなども更新料を無料にして話題を呼んだことでも有名ですよね。ところが、この会社、今度は「ネットを通じて無料でアプリケーションソフトを提供」することを始めました。ソフト開発のシンクフリーという会社と提携し、ネット上でワープロや表計算ソフトを無料で提供。さらに、マイクロソフト製品との互換性も高くしたことで、とても使い勝手がいいというのが売りのようです。ネットでソフトを提供することのメリットは、複数の利用者が編集したり、他の利用者とファイルを共有できたり、評点を付けられることでもあると報道の記事にもありました。
さて問題は、どこで収益を得るかということですよね。もちろん、広告収入というのがメインになってきます。また、データの保存は1ギガまで可能ですが、これ以上の保存には容量を有料で増やすことが可能になるとのことです。また、9月にはパッケージ版の販売も計画しているようなので、予めユーザーを掘り起こしておこうという考えもあるようです。なるほど、コレには、「広告収入」、「オプション機能の利用による収入」、そして「自社の従来型ビジネスモデルへの副次的収入」という3つのエッセンスが上手に組み込まれているように見受けられます。今後、これがメインストリームになるとすれば、それこそパッケージソフトの開発企業もビジネスモデルの変革が迫られるようになりますね。
さて、今回はたまたまソースネクストという企業のネット絡みの事例を取り上げました。割引という言葉だけではなく、無料という言葉に小慣れてきたユーザーに対しては、今後、無料を当然としたビジネスモデルを築いていく選択肢も、各企業は準備しておかなければなりません。企業経営における無料ビジネスモデルのインパクトを検証し、無料ビジネスモデルの新規事業で何ができるかを検討すること。これは企業の将来の生命線でもあるように思えます。皆さんの会社の事業領域で、無料ビジネスモデルを活かした新規事業開発では、どのようなことができますか?一度、検討してみましょう。
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ナレッジを事業にする
新規事業の基本は、「強み」を活用することである。これは私が口酸っぱくしてお話する内容です。ところが強みには、”目に見えるもの”と”見えにくいもの”があります。目に見えるものは、設備や販売チャネルなどのことで、目に見えにくいものとは、例えば人材のスキル、知恵、情報のようなものです。で、新規事業の企画を考える際は、どうしても目に見えやすいものを活用した企画を考えがちなのですが、実は、目に見えにくいものを事業化したほうが高収益なビジネスが展開できることを皆さんは、ご存知でしょうか?
目に見えないもの、それは複数ありますが、ここでは知恵や情報を総称して「ナレッジ」と表現してみましょう。ナレッジという強みは、大前提として企業が存続している限り、どの企業でも必ず持ち合わせていますので、それを新規事業として企画化してみることが比較的容易と考えることも可能なことでしょう。さて、ポイントは、このナレッジをどう事業につなげるのかという点です。ビジネスモデルで考えれば、ナレッジを他社に外販する方法が考えられます。分かりやすい例で言えば、教育・研修事業やコンサルティングサービスとなりますでしょうか。リッツカールトホンホテルが、接客技術というノウハウを、他社に研修を通じて販売している例なども典型的ですよね。
例えば、私のクライアントにもサービス業だけではなく、メーカーや商社が存在しますが、特にメーカーであれば製造技術(ナレッジ)、さらに商社では販売技術や販路およびメーカー側の情報(ナレッジ)を持っています。そのため、これらを上手に”見える化”して外販することで、元手が小資本なのに高収益を目指すことが容易になりますよね。また、ナレッジとは自社にあるものを活用しますので、事業化にそれ程の投資金額を要しません。そう考えると、「小資本で、かつ短期間で立ち上げが可能で、かつ高収益を狙える新規事業」として、自社の強みとなっているナレッジを新規事業に展開することは、会社にとっても嬉しい話になりますね。
また、例えば成長市場などで、まだまだ顧客側が商品の理解に乏しい場合は、市場を作り上げるための啓蒙活動として、このナレッジを事業化することも考えられます。例えば、「環境」というテーマは成長市場と言われていますが、サービスという業態ではまだまだ伸び悩んでいます。そこで、環境を意識した経営シミュレーションがゲーム式でできる研修プログラムを開発すると、ナレッジビジネスが可能になるばかりか、市場の啓蒙という意味でも定着させることが狙えるわけです。
こうして、考えてみると、自社内で眠っている「強み」、特に「ナレッジ」の転用で新規事業を展開できないかを考えることは、小資本新規事業として有効な策だと思います。「ナレッジ」を活用して、研修、コンサルティング、技術請負などのビジネスに派生させていく。これは、今すぐ小資本で立ち上げが可能な、ビジネスモデルのあり方ではないでしょうか。
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コンシェルジュ・モデルを考える
新規事業のコンサルティングやセミナー時に、私は今後「コンシェルジュ」タイプのビジネスモデルが、あらゆる分野で増えてくるという風に力説してきました。これだけ社会が成熟化し、欲しいものが無い時代になってきた現在、消費者は情報の洪水でお腹いっぱいになっているわけです。したがって、コンシェルジュのような水先案内人が、適切なアドバイスの元に、情報を選別してくれ、プラスαの提案をしてくれれば逆に消費者の購買活動が進む。これは、時代の流れ的にも必然なことではないかという仮説を私は持っていました。そこで、たまたま先日連休中の日経新聞に”イエコノミー”という特集のコラムで、このコンシェルジュモデルの解説がなされていましたが、まさに、我が意を得たりです。
記事によると、例えば、生命保険。これは商品内容が分かりにくいし、保険金の不払い問題で保険会社も信用できないというユーザーの声が多く、伊勢丹などが自社のカード会員向けに無料相談を始めたということが紹介されています。なんと1時間半かけて、コンシェルジュが相談に乗ると、半数が契約を見直すと言います。これには、私も一ユーザーとして同感です。こういったニーズにはIT上でも、「ネットライフ企画」という会社がマネックスGrの出資を受けて設立されました。日本生命のOBが社長を務め、副社長には、ハーバードMBAで上位5%の成績で一躍有名になった「岩瀬氏」が就任し、”わかりやすく納得してもらえる保険をつくる”とのことです。
また、もう一件代表的な例で言えば、不動産もあります。こちらは、「さくら事務所」という不動産のコンシェルジュが不動産の仲介手数料を取らずに、相談料や物件への同行などで料金を取るモデルを築いています。コンセプトは、”医師のセカンドオピニオンのような役割”とのことで日経新聞でも紹介されていましたが、なんと多い月には400人が相談に来るそうです。実は、この会社、過去に二社ほど不動産や建築系のクライアントに新規事業コンサルティングをした際に、かなり調査しましたので、やはり目立った存在になってきたかという感じがします。
さて、日経新聞で掲載されていた事例を紹介するのに、生命保険と不動産の二つをご紹介しました。しかし、ユーザーが分かりにくさやサービスにきめ細かさを求める分野は、この二つ以外にもかなりの数があるのではないでしょうか?そのため、業種を問わず、また個人向けか法人向け商売かを問わずに、「●●●コンシェルジュ」という新規事業をブレーンストーミングしてみれば、どんな仮説が立てられるか皆さんにも自社で試してほしいのです。
ちなみに、コンシェルジュのビジネスモデルを新規事業で考える際は、新規事業の位置づけが重要になりますので、少し注意をしてください。というのは、一つは、コンシェルジュそのものを無料にして、自社の本業である例えば物販などに結びつける補完的な事業という位置づけが考えられます。しかし、一方では、さくら事務所のように、コンシェルジュそのものを有料サービスとして、新規事業の核に据えるという位置づけももちろん考えられます。ただし、コンシェルジュそのもので収益を上げるためには、人的依存が高く、労働集約的になるため、売上げの規模や件数を稼ぐのは難しいことにも注意が必要です。
もし、それを解消するのであれば、できるだけオンラインの方にも力を入れる手法。個人向けを皮切りに、法人向けに提供する手法。さらに、同じ法人向けでも自社の事業に関することだけではなく、コンシェルジュの対応範囲を広げ、法人より広範囲にアウトソーシングで請負う事業展開を考えなければ、新規事業のスケール感は出しにくいと思われます。いずれにしても、一つは、コンシェルジュというビジネスモデルで、顧客満足度を向上させるだけの対応範囲と対応の質を追及するコンセプトと、二つ目には押し寄せる情報を選別し、更にセカンドピニオンの役割をして顧客に提供するコンセプトと、二つの切り口がコンシェルジュモデルでは考えられるのではないでしょうか?
一口にコンシェルジュと名乗ってみても、簡単に収益を上げられるほど甘いビジネスモデルではありませんが、新規事業の切り口の一つとしては、本業周りから検討してみて、有効なモデルになるのではないかと私は考えています。
投稿者 compas : 18:51 | コメント (0) | トラックバック
レンタルという新規事業の選択肢
新規事業の、コンサルティングや研修の現場でクライアントを見ていると、面白い共通点に気がつきます。それは事業企画をつくろうというフェーズにおいて、出てくる企画やアイデアが大抵3つに集約されるからです。それは、「モノを作る」、「モノを売る」、「店を構える」事業企画です。確かに、これら3つのビジネスモデルは誰しもが分かりやすく見えやすいビジネスですから、思いつきやすいですね。しかし、この3つはいずれもモノが関わってくるビジネスですが、モノ事業はコモディティ(日用品)化しやすく、価格競争が激しくなることもあります。また特にお店を構える場合は、初期コストに多大な投資を要するのが普通です。そうやって考えると、新規事業で企画を考える際は、前述した3つの企画だけではなく、この3つをひねったもの、もしくはそれ以外のサービスを考えることがとても大切になってきます。
さて、今回私がご提案したいのは、同じモノ事業でも、モノを「レンタル」するビジネスモデルを検討してみてはどうかということです。モノを所有するから利用する時代へ移行してきたとは、よく聞く言葉ですね。つまり、購入しなくても、その場限りで消費したり、レンタルするだけでもいいのではないかという身軽なライフスタイルを指すわけです。しかし、レンタルというビジネスモデルは意外に、新規事業の企画としてクライアントから挙げられません。レンタルと聞けば、私などはすぐにCDやDVD、またはレンタカーなどを思い浮かべますが、こんなものもレンタルなのかという発想でブレストすれば、結構面白い新規事業が考えられるのではないかと、私はいつも思います。
ダスキンなどはレンタルのビジネスモデルで成功している典型的な会社ですね。化学性のモップのレンタルに始まり、家庭用お掃除用品、オフィス関連用品など幅広くレンタル事業を展開されています。で、このレンタルというビジネスモデルを一度ダスキンが競合になるクライアントと一緒に調査したことがあるのですが、リピート性が高いし、損益分岐点を越えれば、後はどんどんと利益が積み重なっていきますから、優れたビジネスモデルなんですね。かつて私は、レンタルビデオ店で有名なツタヤを展開し、CCCグループの創業者である増田社長の講演会を聞いたことがあります。もう10年前くらいでしょうか。その際に、増田社長はレンタルビジネスを始めるにあたり、レンタルという発想をやめたことが他社より優位なポジションを築ける原点だったと言います。
レンタルではなく、これは金融業であると。どういうことかといえば、当時CDのアルバムが3000円、レンタル料が300円とします。仮にも仕入れ金額が3000円だったとすれば、10回貸し出せば元がとれてしまいます。そうすると、その後の利益は、金融で言う利子を継続的に得続けているのと同じだと。または、配当収入という捉え方もできると。損益分岐点を越えた瞬間から、300円×貸し出し回数分の金融収入があるのだから、これはおいしいビジネスなんだと。実はこの講演会、私が新卒で行った会社説明会での一コマなのです。就職活動中の学生の時に聞いた私は、すごい発想をする社長だなぁと感心したものでした。
さて、レンタルと言えば、先日読んだ日経新聞にこんな記事がありました。がんや脳梗塞などの病気を早期発見する画像診断装置である「CT」や「MRI」を搭載した車を貸し出す事業です。発想は至ってシンプルです。CTやMRIを活用した健康診断は、一般の人にとってはとても高額。さらに、設置スペースや導入コストの問題で、全ての医療機関が所有しているわけではないという実態。ここで、同事業を展開する「フリール」という会社が、CT車12台、MRI車8台を持って、装置を持たない医療機関に貸し出す事業で月に200箇所への導入実績をつくっています。同社は、1992年に心臓の専門医が創業し、現在では年商9億円、経常利益も4300万円を稼ぎ出すようです。実際には、CTなどの搭載車を貸し出すたびに、自治体に病院設備として届出をして、検査を受けなければいけないという法律の規制の壁があるため、競合は現れていないそうです。
同社が、どこまで会社の発展を望んでいるのかは分かりませんが、それでもレンタルというビジネスモデルで新規事業の新境地を開いたことは、とても参考になります。どんなモノをレンタルにすることができるのか、どんな分野でレンタル事業を考えれば面白いのかなど、意外な分野でレンタル事業の有効性を考えてみたいものですね。新規事業の企画や事業計画の作成において、”レンタル”というビジネスモデルも一考に値するのではないでしょうか。
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オークションでマッチング
新規事業の企画において、どんなビジネスモデルを他社は採用しているのかを研究することは、とても重要であることをコンサルティングの際に申し上げます。世の中に全く存在しないところから出てくる企画ではなく、既存事業をひねったり、組み合わせるほうがより効果的なビジネスモデルを形作れるからです。そこで、私はリアル、ネットビジネスの双方において、それぞれ複数のビジネスモデルの事例を示しながら、仮説をより具体的なものにしていく作業をコンサルタントとして日々お手伝いしております。さて、そのうちの一つ「場所・機会・ネットワーク」をつくって収益を上げるビジネスモデルというものが、ネット社会の日常化により、たくさん考えられるようになってきました。
よくある事例が、会員制で需要者と供給者をネットでマッチングするというもの。企業間取引でもありまあすし、あるいは求人サイトもその分類かもしれません。さらに、モールというのも同様かもしれませんね。さて、その中でも私はオークションによってマッチングを行うビジネスモデルというものに注目しています。一般消費者向けでは、ヤフーやDeNAのモバオクなどが有名ですが、企業間でも不動産オークションなどが有名ですよね。で、私はこのオークションによるマッチングビジネスというものが、BtoBやBtoCを問わず、多くの業種で増えてくるという予測を立てています。こんなものもオークション?こんな分野までオークションという意外性が鍵になるというのも一つの私の見方になります。
例えば、静岡県にあるコンサルティング会社のネクセブという会社は、全国の街頭大型ビジョンなどの広告スペースをネットを通じて売買するオークションシステムを年内に開発し、スタートするといいます。広告を集めたいスペース保有者と広告映像を配信したい広告主をマッチングさせます。もちろん、そのスペースはオークション形式で時間単位で画面を売り出しますので、スペース保有者は安定的に、広告主を獲得できるわけです。ちなみに、同システムはビジネスモデル特許を取得済みとのことですが、ネクセブには映像を受け取るサーバーの販売代金と落札価格から一定の手数料収入などが得られるようになっています。
大都市圏では、広告主を集めやすくても、地方では簡単に集めにくいという課題もありますよね。そこをネットを使って、解決しようというスタンスなのです。私もあるビルのオーナーからかつて自社ビルについている看板スペースを埋めたいので、広告主を紹介してくれという相談を幾度となく受けたことがあります。そのビルは大阪の伊丹空港のすぐ前にあったのですが、関西新空港が出来てから発着数が減って、広告主が見つけにくくなったというのです。かといって、人づてに頼るには限界があるし、あまり広告代理店を通したくないとのこと。であれば、私自身もオークションで幅広く、広告主を集められれば、どれだけ素敵なことかと思いふけった記憶があります。
ネットを使って、場所と時間の距離を縮める。さらに、持てるものと持ちたいものを出会わせる。こんなコンセプトをオークションモデルを使えば、皆さんの既存事業からも、複数、新規事業のアイデアが生み出されるのではないでしょうか?ごくごくありふれたビジネスモデル、しかし、これを既存事業と組み合わせることで、新規事業のバリエーションが増えるのであれば、研究しない手はないと私は思います。新規事業をコンサルタントとして支援する私としては、販路や人材、またはビジネスの企画、コア技術、店舗の営業権なんてものもオークション形式でマッチングしたら面白いかなと考えております。私は、新規事業のコンサルティング案件だけではなく、どのように売ればいいかというマーケティングのコンサルティング案件においても、この”オークションでマッチング”というビジネスモデルは結構、ご提案することが多いものです。新規事業の企画の際には、一度”オークションでマッチング”というビジネスモデルを活用した事業計画書も作成してみてはいかがでしょうか?
