2008年08月28日
”個口”化する新規事業
大量生産大量販売の時代が終焉したと叫ばれるようになってから久しくなりました。市場の細分化、成熟化とはよく言われてきたものですが、新規事業開発にどのように影響してくるのでしょうか?私はコンサルティング活動の中で、日々新規事業開発における複数の視点をご提供していますが、今回もいくつかのヒントをご提供したいと思います。これは企画だけではなく、事業計画作成、立上げに至るまで関わることです。
キーワードは、「個口化」する新規事業です。そしてその心は、「小単位×カスタマイズ」というものです。大量生産大量販売とは対極的にある発想ですが、このキーワードに象徴される時流はどんどん太い流れとなってきています。特にWEB2.0という概念が提唱されるようになってからは、加速しているかのようにも思えます。そして今、人間の動線や人脈などの関連性を究極的にまで追いかけ、とことんカスタマイズする流れをWEB3.0として概念化しようという動きも出てきています。
やはりWEBのインパクトというのは本当に大きいものですね。さて、こんな時流を読み解き新規事業を行うにあたり、一つの事例をご紹介してみたいと思います。それは住友スリーエム社がインターネットで受注する「オーダーメードの”付箋”事業」です。これは個人から中小企業まで幅広いユーザーに支持されている事業のようなのですが、まだまだ伸びる様子を感じます。
仕組みは至って簡単で、オーダーメードで付箋をネット上でオーダーでき、小口単位でも受注が可能な仕組みです。いくつかのテンプレートからもデザインが選べ、自分の好きな写真やイラストのデータも貼りこむ事が可能になっています。今まで企業の購買発注と言えば「大口単位」ごとの発注というしばりがありました。大口単位なら安くなりますよという宣伝文句に従わざるを得ない現状。そして個人では楽しめる自分だけの商品が少なかった現状。
これらを解消したのが、オーダーメード付箋事業であり、好評を得ている理由ではないかと思います。ネットビジネスに限らず、この”個口化”する潮流は決して見逃してはなりません。これから新規事業企画を立ち上げる方も、既に新規事業開発を行っている方も、「個口化(小単位×カスタマイズ)」という選択肢も視野に入れて取り組んでみましょう。
投稿者 compas : 09:32 | コメント (0) | トラックバック
”個口”化する新規事業
大量生産大量販売の時代が終焉したと叫ばれるようになってから久しくなりました。市場の細分化、成熟化とはよく言われてきたものですが、新規事業開発にどのように影響してくるのでしょうか?私はコンサルティング活動の中で、日々新規事業開発における複数の視点をご提供していますが、今回もいくつかのヒントをご提供したいと思います。これは企画だけではなく、事業計画作成、立上げに至るまで関わることです。
キーワードは、「個口化」する新規事業です。そしてその心は、「小単位×カスタマイズ」というものです。大量生産大量販売とは対極的にある発想ですが、このキーワードに象徴される時流はどんどん太い流れとなってきています。特にWEB2.0という概念が提唱されるようになってからは、加速しているかのようにも思えます。そして今、人間の動線や人脈などの関連性を究極的にまで追いかけ、とことんカスタマイズする流れをWEB3.0として概念化しようという動きも出てきています。
やはりWEBのインパクトというのは本当に大きいものですね。さて、こんな時流を読み解き新規事業を行うにあたり、一つの事例をご紹介してみたいと思います。それは住友スリーエム社がインターネットで受注する「オーダーメードの”付箋”事業」です。これは個人から中小企業まで幅広いユーザーに支持されている事業のようなのですが、まだまだ伸びる様子を感じます。
仕組みは至って簡単で、オーダーメードで付箋をネット上でオーダーでき、小口単位でも受注が可能な仕組みです。いくつかのテンプレートからもデザインが選べ、自分の好きな写真やイラストのデータも貼りこむ事が可能になっています。今まで企業の購買発注と言えば「大口単位」ごとの発注というしばりがありました。大口単位なら安くなりますよという宣伝文句に従わざるを得ない現状。そして個人では楽しめる自分だけの商品が少なかった現状。
これらを解消したのが、オーダーメード付箋事業であり、好評を得ている理由ではないかと思います。ネットビジネスに限らず、この”個口化”する潮流は決して見逃してはなりません。これから新規事業企画を立ち上げる方も、既に新規事業開発を行っている方も、「個口化(小単位×カスタマイズ)」という選択肢も視野に入れて取り組んでみましょう。
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2008年08月25日
新規事業の世代対決!?
少し前に「WEB2.0」という概念や言葉が大流行した時期がありました。「1.0」が企業側からの一方通行の情報の流れに対し、「2.0」が消費者から企業や社会に対する情報の発信だったり実際に企業活動の一部を担う流れというイメージが分かりやすいでしょうか。そして、それぞれの数字は世代のようなものを表していましたよね。さて、この潮流は今どうなっているのでしょうか?
端的に言うと、何やらビジネスの対立のようなものがそれぞれの世代であるようにも思います。分かりやすく検索エンジンで考えてみましょう。レストランについて検索しようとすると、「ぐるなび」の情報とクチコミサイトの「食べログ」、もしくは個人のブログによるレストラン評が、上位を争っています。単純に言えば、「1.0」世代の”ぐるなび”VS「2.0」世代の”食べログ”といったところでしょうか。
単純に企業のスポンサーを募り、広告収入で稼ぐ1.0世代は前近代的のように思えても、収益力や売上のスケールは、2.0世代モデルを上回ります。しかしながら、そこには企業の恣意性が入っているため、今後の消費者の動向やアクセス支持率はどうなるかはまだまだ分かりません。ビジネスとしては難しいのですが、社会に対する影響力としては確実に2.0世代モデルの方が上回る可能性もあります。
従って、今後皆さんの会社で新規事業を企画するとき、今のタイミングで、どちらのモデルを軸にした事業開発を行うかどうかは時流を見ながら熟慮すべきことだと私は思います。またWEBサイトに限らず、ビジネスモデルの世代対決が生じてきていることも注視すべきでしょう。例えばアメリカのレンタルビデオ業界を考えた時に、大手各社が別の戦略をとっていることが面白いです。
老舗のブロックバスターという会社は店舗で扱う品揃え強化を通じて業績向上を目指すのに対して、無店舗で郵送によるDVDレンタルを行うネットフィリックスは、今後、映画などを高速インターネットを使ってストリーミング配信する事業を強化すると言います。日本のツタヤはそこまでは今のタイミングで乗り切れずに、モバイルなどを使って既存店舗への誘導を上手く行い、グループ間シナジーを使いながら、収益源の多角化を図っているようです。Tカードなどの金融やマーケティング事業もその一つですね。
さて、今のところはこのビジネスモデルの世代間対決。どちらが良い悪いという判断はつきませんが、どのタイミングで、どのビジネスモデルを導入したり組み合わせるかのさじ加減は、難しい局面を迎えているのではないかと思います。今後、新規事業を考える新規事業開発部の方などは、この辺の動向を充分ウォッチし、大胆に仮説を立てていく必要がありそうですね。新規事業でもビジネスモデルの世代間対決というテーマは、要注意になってきていると私は思いますよ。
投稿者 compas : 21:16 | コメント (0) | トラックバック
2008年08月12日
新規事業の企画は生活防御をテーマに!
今朝読んだ日経新聞のコラムには”ふむふむ”と納得する部分が多かったです。それは、生活不安が続くご時世において、「無」や「ゼロ」に関わるコンセプトのサービスや商品がヒットしているというものです。
よくコンサルティングの現場でも、新規事業開発がテーマの場合、今後の時代を担うような目新しい企画を生み出そうとされる場合がよくあります。機能はあれもこれも付けて、こんな価値をお客に提供してなど。でも、これってお客からしたらウザったくないものでしょうかね?
私は時代柄、経営のフレームワークに当てはめて企画を考えたり、機能や価値を付け足して出来た新規事業の企画などヒットしないと考えています。話を日経新聞のコラムに戻すと、最近お寺に泊り込んで座禅を組んで心を無にする人が急増しているといいます。また周囲の騒音を軽減するノイズキャンセリングヘッドフォンが売れているといいます。騒音を気にして無音を求めるお客が多いようですね。
更に、糖質ゼロの発泡酒であるキリンの「麒麟ZERO」が大ヒットしているようです。また、ソフト会社のソースネクストが発売しているデータ消去関連ソフトの販売が伸びているようです。なんでも「パソコンを買い換えたいが、残っているデータの処理が心配」というニーズが強く、自分の手で不安を消す行為に出るそうです。こうやって見ると、本当に今のご時世は「無」や「ゼロ」というコンセプトが浸透してきたのだなぁと思います。
景気後退や物価上昇というのが直接的原因だと思いますが、新規事業を専門とするコンサルタントの私からすれば、それだけが原因だとは思えません。コンサルタントとしても様々な企業を私は訪問し、議論してきましたが、世間は「ダウンサイジング化」という底流が流れ出しているということに肝があるように感じるのです。生活防御型の新規事業とは、本質は生活のダウンサイジング化にヒントがあると思うのですよね。
景気や物価高がなくても、シンプルに自分らしく生きたい。企業の都合に振り回されたくない。本質を突き詰めれば、”必要なものを必要な時に必要な分量だけ”ということへ行き着いているのではないでしょうか?そう考えれば、最近私はコンサルティング現場でも良く言うことですが、「引き算の経済学」を読み解いた上で、新規事業開発を進めるべきではないのかと思うのです。つまり、機能や価値を積み重ねるのではなく、差し引き、機能や価値を絞っていくという逆転の発想。
表面上は、生活防御のご時世だとは言え、本質的には”ダウンサイジング化”という時流が底には流れているのではないでしょうか?新規事業の企画を考えるとき、事業計画書を作る段階になったとき、私はこのダウンサイジング化の視点で物事を洞察するとどうなるかということにも注目しています。この時流は私自身のコンサルティングの視点を大きく変えていくものでもあり、クライアントにとっても新規事業開発において、大きなファクターになることは間違いないと思います。
投稿者 compas : 11:04 | コメント (0) | トラックバック
2008年06月09日
引き算式の新規事業
私は新規事業を考える際に、様々な視点をご紹介していますが、最近”引き算式”で考える企画が増えてきたのではないか。そう思えてなりません。例えば、アイポッドを考えてみましょう。ついつい普通の会社ではごちゃごちゃと機能やボタンをつけてしまいがちになるもの。ところが、アップルはさすがに大胆ですね。この製品は驚くほどシンプルにデザインされ、機能自身もシンプルですよね。これぞ、引き算式の考え方だと思うのです。
言い方を変えれば、シンプル化と言えるかもしれませんが、新規事業の企画を考える際は、”引き算式の企画づくり”として考えてみてはいかがでしょうか?任天堂のDSを考えてみた場合にどうでしょうか?PSPに比べてお手軽さがありますよね。最近、スーパーのレジはセルフレジも増えてきました。TOTOはふちなしトイレを発売しました。ふちがあると、掃除がしにくいところを解消したわけです。
省エネ志向で容量や動力を減らした商品も最近、よく発売されていますね。そして、外食産業でも、ボリュームが少なめのメニューや、お一人様でも入店しやすいようなコンパクト店舗の大量出店が各社続きます。つまり、引き算式でものごとを考えていくと、逆に新たな企画が複数生み出されていくのです。ところが、引き算式の事業にすると多くの人は不安に思います。
こんな機能をなくして大丈夫だろうか?コンパクトにすることで客単価が落ちないだろうか?私はそうは思いません。例えば、飲食で考えれば分かりやすいと思います。従来より小型のメニューを出しても、確かに一品一品の単価の絶対額は下がりますが、その分、デザートや前菜など他のものをたくさん食べようとする意識も一方では働きます。したがって、コンパクトにしても客単価としては維持される場合が多いことも事実なのです。
物事を省いて考えてみる。こんな機能はもういらない!というものを書き出してみる。こうやって、引き算式の発想をすることで、新規事業を考えることはとっても有効である。私は、こんな風に思います。今の時流は、複雑な時代であるからこそシンプルにしていくことが受けるのではないでしょうか?
投稿者 compas : 16:36 | コメント (0) | トラックバック
2008年04月28日
ワガママにとことん応えろ!
これだけ社会が成熟してくると、顧客のワガママにとことん応えた企業だけが勝ち残る。私は、そう思えてなりません。ワガママに応えすぎると、事業の効率が低下する。そう思う方もいることでしょう。それは一面では正解ですが、そうも言っていられないご時世になってきていると頭を切り替えましょう。効率が落ちるというのであれば、ワガママ対応専用の新規事業として本業から分離して、独立採算で展開する方法もあります。
さて、今回はワガママにとことん応え、ワガママ市場を事業化した事例をご紹介しましょう。インターネットサービスのアルカーナ社が展開する「ドリームエクスペリエンス.JP」というサイトを皆さんは、ご存知ですか?読んで字の如く、”夢の経験”を提供するサイトです。例えば、著名カメラマンによる個人の写真集の製作や、自宅をライブ会場に仕立て上げるサービスなど”特別なサービス”を仲介する事業なのです。
サイトを見ると、ショッピングをする感覚で各サービスを選択できますので、お手軽な感覚も持ち合わせていて、とっても面白いですよ。今後、サービスのラインナップを増やし、WEBのデザインも変えていけば、面白い存在になるのではないかと私はウォッチしています。経験を売るというモデルに関しては、結婚式の引き出物を、各種経験(体験)サービスにして提供している企業がありました。それが、もう少しマス化してきたような潮流を私は感じます。
今まで、願望だけで止まっていた”あったらいいな”も上手にパッケージ化して、商品に見立てることで、単なるワガママをワガママに終わらせない動きとして生まれ変わらせることができたわけですね。今までは、本業や既存事業があって、付属的(派生的)にカスタマイズなどでワガママに応じる事業スタイルが一般的でした。つまり既存事業が”主”、ワガママに応える付属事業が”従”という関係性でした。
ところが、ワガママ市場に関しては、この主従関係をなくし、付属事業を本業として切り離して考えてみると、全く別の発想も生まれてくるのではないかと思います。ワガママ市場の切り取り方と、定義の仕方は多種多様ですが、こういったビジネスの潮流は、新規事業においても重要な鍵を握ることには変わりがないようですね。ワガママにとことん応える新規事業を是非、検討してみましょう。
投稿者 compas : 15:58
2008年04月10日
情報の同質化
ネットで何でも検索できるようになってくる時代においては、メリットと同時に多大なデメリットが生じてしまいます。あまりにも、同じ情報を誰もが持つことで、情報の同質化が起きてしまうことです。簡単に言えば、情報は豊富に持てても、皆が同じように情報に頼って商品開発するため、商品まで同質化してきているということです。そのため、私は日ごろから、情報だけに頼りすぎずに、自分の感性や直感を信じましょうと説いています。
ネットが普及するまでは、情報が豊富にすばやく入手できればいいなぁなどと考えていました。しかし、いざ入手できるようになると逆に、頼りすぎになってしまって、革新的な商品やサービスが生まれにくくなってきている負の側面も充分に理解しておく必要が生じてきましたね。しかし、視点を変えれば、だからこそ、感性や直感を信じ、リスクをとった新規事業を行うことで、他社を引き離しにかかることも可能になるわけです。
例えば、婦人靴専門店の卑弥呼という会社は、銀座に”大きいサイズ専門”の「クイーンズ卑弥呼」の中核店を出店しました。同社なんかは、まさに情報の渦に巻き込まれずにリスクをとった新規事業の事例と言えるでしょう。景気が不安定な中で、大きなサイズにターゲットを絞り込むことはハイリスクにも見えるわけですが、同社会長の柴田氏は、「他社は過去の情報に縛られ、リスクを取ろうとしない」からチャンスだと言うのです。
ちなみに、大きいサイズの婦人靴の市場はまだ全体の3%ほどだそうですが、客の視点で見れば優先順位は高いと豪語され、市場を創出していくといいます。市場を見つけるのではなく、あくまでも創出するのです。情報過多の時代においては、チャンスが芽生える一方では、”同質化”という負の側面が露呈されてきます。そのため、大胆にリスクをとって、自分の感性と直感を信じて、新規事業にトライしてみること。これが、実は一番リスクを抑える方法にでもなるのではないかと思います。
情報に流されないこと。ネット検索に頼りすぎないこと。いつも顧客視点に立って、人を直接観察すること。企業に密着して洞察すること。商売の原点は、そんなアナログ的な泥臭い部分にあるような気がします。皆が情報を活用するなら、逆に自社は情報を活用しないくらいの”ヘソ曲がり”な視点が、情報や事業の同質化を防ぎ、イノベーションを起こせる要因になるのではないでしょうか?
投稿者 compas : 17:17
2008年03月24日
必要なものだけを最小限に
デジタル化社会の本質とは、実はシンプルな社会になるということではないだろうか?私はたまにこう思うことがあります。一見すると、ネットインフラの充実によって情報過多になり、ますます複雑化していくように思えますが、逆に、”必要なものを最小限”だけ得る、使うというライフスタイルが当然となるような気がします。新規事業の企画においては、いたずらにWEB技術のトレンドを追うのではなく、実は”シンプル”にするという視点がコンセプト構築で必要になってくるのではないでしょうか?
例えば、デジタル機器の世界においても記憶装置や記憶媒体は持たずに、ネットの先の大保管庫に預けるという潮流が出てきていることを日経産業新聞では、先日特集を組んで掲載しておりました。例えば、ニコンが開発したデジカメの「S51C」は、撮影した写真は無線LANを使ってニコンのデータセンターにある記憶装置に吸い上げられる仕組みを採用しました。利用者には、一人当たり最大で二万枚近い写真データの保管場所を提供すると言います。
こうなれば、時間や場所を選ばずに、誰もがPCや携帯電話で画像が引き出せるようになります。ニコンでは、月額350円の課金制にしても、カメラの拡販につながれば採算が悪化しても意義があると判断しているようです。さて、この事例から何が学べるでしょうか?”いつでも、どこでも”という一昔前の言葉、ユビキタスを連想しますか?それも大事な視点でしょう。でも、私は違います。既存のものから何かを引いて価値を生み出す、「引き算式の企画創出」に興味があります。
何かと何かを組み合わせて事業企画を考えるというものがあれば、逆に今あるものから機能などを減らして、価値を生み出すアプローチがあることを事例では教えてくれます。今の時代、社会が成熟しすぎていて、消費者はお腹いっぱい状態になっています。そのため、逆に、引き算式の企画創出がどんどんクローズアップされてくるのではないかという私は仮説を持っています。
特にネットをはじめとするデジタル産業では、この傾向が際立ってくるのではないでしょうか?なぜなら、必要最小限だけでいいという考え方と同時に、IT技術を用いれば、コストが安くなったり、省エネが可能になったりと、各種のメリットが享受できることを消費者が知り出したからです。東芝が「HD−DVD」の規格から撤退し、「ブルーレイ」とどちらが優位かなんていう争いが最近まで激しくありました。
しかしながら、”必要なものだけを最小限に”という社会では、この不毛な規格争い自身が時代遅れと言えるでしょう。必要なときだけ必要なものをブロードバンド回線でダウンロードし、記憶装置は普段は持たないというスタイルが浸透してくる可能性が高いからです。それが証拠に、アップルの新型の薄型ノートPCでは既に記憶装置がついていません。シンプルに引き算式の発想で企画作りを進めてみること。今後は、こんな時流に注目していきたいと思います。
投稿者 compas : 13:16
2008年01月30日
エコの活用は今が旬
エコを意識したライフスタイルや事業企画が最近、浸透し始めてきました。まさに、今は市場の離陸期にあるように思います。そこで、自社の新規事業企画に、エコというテーマが活用できないかどうかを考えてみませんか?ちなみに、企画はエコ=環境問題を解決する!という使命感から必ずしも入らなくてもいいと思います。もっと肩の力を抜いて、時には遊び心も入れて、ラフに企画を考えてみてはいかがでしょうか。
最近、日経産業新聞で凸版印刷のエコを絡めた新規事業の記事を目にする機会がありました。簡単に言うと、環境貢献型の懸賞サイトを開発するというものです。懸賞キャンペーンでは、必ず落選者が存在します。しかし、凸版印刷が仕掛けるキャンペーンの場合、落選した人には抽選への参加権であったポイント相当数のCO2排出権がもらえる仕組みで、懸賞キャンペーンに応募するだけでCO2排出削減活動に参加できるようにしています。
同事業では、CO2排出権購入に関して環境ベンチャーのリサイクルワン社と提携し、同社の提携先であるイギリスのカーボンニュートラル社が保有する一定量の排出権を取得することが前提となっています。導入企業は商品パッケージなどに購買証明となるQRコードを印字。消費者が懸賞サイトにアクセスすると応募ポイントがたまり、抽選で景品があたる仕組みをサポートし、なおかつ落選者には、排出権をプレゼントすることで、地球温暖化防止に全員が参加できるように喚起するというものです。
ちなみに、凸版印刷社はQRコードの印字からキャンペーンシステムの構築、効果測定までを一貫して手がけるようです。またこの事業のポイントは、排出権のプレゼントという切り口を持つことで、懸賞のハズレをなくして、キャンペーンへの応募率向上と参加者の満足度向上が狙える点にあります。なるほど。これは興味深い事例ですね。詳細は、「凸版印刷社のプレスリリースサイト」を見るのが、一番、イメージしやすくなっています。
エコというよりもエコ意識や社会貢献運動への参加意識というところにフォーカスすると、製造業から、卸、小売、そしてサービス業に至るまで、広範囲に事業企画のヒントが転がっているように思います。冒頭でも私は書きましたが、そこでのポイントは、あまり難しく考えないことです。環境の技術などではなく、生活者の意識を読み解いてビジネスを行うという意味においては、特別鼻息を荒くする必要はないからです。エコは今が旬とは思いますが、特にエコ”意識”に注目して、物事をシンプルに考えて発想してみましょう。
投稿者 compas : 18:31
2008年01月07日
セミプロ市場を狙え!
新規事業を企画する際に、単純にBtoBはプロ向け、BtoCは素人向け市場として捉えてはいけません。特にBtoCに関しては、成熟化社会が加速し、ネットが日常生活に浸透している時代では、消費者の商品に求めるスペックの要求が想像以上に高いからです。ネットで検索するという習慣が根付くと、当然商品に関する基礎的な情報を仕入れることが容易になり、またクチコミへとつなげていきます。
そうすると、基礎的なスペックを備えているだけでは、物足りなさを感じられてしまうわけです。そのため、ちょっとプロ仕様な”セミプロ”市場というものに目をつけてみてはどうかと私などは思います。例えば、お菓子材料サイトを運営する「クオカプランニング」の事例で考えて見ましょう。同社は、お菓子の材料をネット通販しています。
ターゲットは主婦なのですが、この主婦が普通にお菓子のレシピを見ながら味を表現しようにも、材料が専門店に並んでいるようなものでなければ、決してプロと同じ味を出すことは出来ません。ちなみにプロは独自の材料やあまり出回ってない材料を使うから、独自の高品質な味がつくれます。そのため、同社のサイトでは、”プロの材料”にこだわって通販を展開しているようです。
プロが使うレベルの菓子材料のネット通販とレシピの提案。この二つが組み合わさって、初めて消費者の要求を満たすことが出来ます。単純に、レシピや菓子材料のネット通販だけでは、既に消費者は物足りなさを感じているという時流が根底にはあるようですね。ちなみに、同社は2000年の設立以来、7年間で年商20億円を達成したそうです。
これからの時代は、セミプロ市場というものが、あらゆる業種で拡大してくると思われますので、今までとは着眼点を変えて、企画を考えていきましょう。2008年度は、この市場が更に拡大してくる、そして意外な分野でセミプロ市場が拓けてくる。私はそう思えてなりません。
投稿者 compas : 10:42
2007年12月17日
「社会性」が鍵!
最近、エコ(環境)を中心に、生活者の意識が社会性といったところに向いて来たような気がします。これだけ不祥事だらけの世相にあっては、社会性を追求している企業や事業が自然と指示を集めるようになる。こんな皮肉的な要素によっても、その動きが加速されているように私は見えます。今年は、「社会性」や「公益」といった言葉がキーワードとしてたくさん出てきました。やはり、この流れは本物なのでしょう。
成熟化社会の中で、満足感が得られることとは、地球市民として社会に良いことをしているという実感を持てること。こんな深層心理が「社会性」というものと紐ついているような気がしますね。終身雇用制度社会が崩壊してから実力主義という概念が浸透し、皆、自己実現に躍起になってきました。しかし、これは他人との競争の上での自己実現に傾いていました。ところが、最近になって、やっと他人との比較ではなく、「社会や環境にもいいことが、自分にも心地いい」というソフトな考え方に移行してきたようです。
さて、それではビジネスとして、どのように捉えていけばいいのでしょうか。まずは、時流の根底に流れるコンセプトから探っていきましょう。先日、日経MJ新聞に分かりやすい表現で記事がありましたので、引用したいと思います。「地球環境のために取りくみたい」、「ものの豊かさより心の豊かさが大事」、「義理や人情を大切にしたい」、「人のために役立ちたい」、「温かな家庭や社会をつくりたい」、「伝統や歴史のあるものに豊かさを感じる」といった価値観を具現化することです。
ところで、「社会性」と「ビジネス」とは両立しないもの、社会性のあるものでお金儲けはしてはいけない、こういう伝統的な考え方が一方では存在しますね。しかし、本当にそうなのでしょうか?そんなバーター的なものなのでしょうか?社会性の最たるものとして医者の存在がありますが、医者で金持ちはたくさんいますよね。いいことをして、結果としてお金が儲かる。そしてそれを社会に還元する。そういうサイクルで捉えるならば、社会性と利潤の追求は両立すると私は思います。従って、社会性を前面に出した新規事業もあり!というわけです。
少し前までは、景気が回復して以降、ニューリッチやワンランク上の消費を志向する人も多くいました。しかし、今では、”消費”ではなく、自分の得てきたお金や知識・技能を社会に”還元”するという点に、社会のトレンドが潜んでいるようです。また、プロの技術を活かした社会貢献やNPOやNGOへ転職する人が増加してきたことを見ても、大きく時代が変化してきていると言えます。実は、この生活者の意識の変化があったところに、新規事業の種が潜んでいるもの。そんなことに注意が必要でしょう。
さて、最後に「社会性」をどうビジネス的観点で捉えるのかを、前述した日経MJ新聞が平易に解説していますので、引用してみたいと思います。「消費はあくまでも洗練されており、文化的生活を享受しながら持続可能な活動をする。土臭さを喜ぶ昔ながらの社会派とは一線を画す。キーワードは”上質な普通”、”エコラグジュアリー”。ペットボトル飲料を買うより高機能な水筒を持ち歩く。無駄に大きくない小ぶりなクルマを買う。リサイクル品も歓迎。」こんなイメージの捉え方が適当なことでしょう。
さぁ、時流を捉えた後は、コンセプトを考え、具体的な新規事業開発や商品開発に落とし込んでみましょう。2008年は、ますますこの傾向が強まってくるのではないかと私は考えています。
投稿者 compas : 10:54
2007年11月30日
無難ではダメですよ。
日々、様々な事業計画書を拝見していると、一つのことに気づきます。それは、”無難”な内容のものが多いことです。特に、この企画は、高付加価値型でいくのか、日用品/コモディティ型でいくのか明確になっていないというものです。私はいつも言うことなのですが、市場のど真ん中にど真ん中の戦略で事業展開しても、新規事業としては失敗しますよと。これで成功する企業は、大資本を持った知名度抜群の企業だけですと。それでも上手くいかないのが常ですけどね。
つまり、新規事業とは捻りが必要だということです。また、高級路線でいくのか、低価格路線でいくのかという部分においても、”無難”な価格で展開しようとする事業計画書が、多いようです。こちらも、注意をしなければいけないことは、中途半端では顧客も支持してくれないということです。あくまでも、コンセプトを明確にし、事業展開の路線を明確にしなければ、”無難”というのは、逆に失敗を招く元になりますので、注意が必要でしょう。
例えば、クリーニング事業を展開する「ハッピー」という会社が京都にあります。2002年設立で確か年商も3億円あるかないか程度の会社。しかし、ここの事業展開方法は参考になりますよ。なんと、あの高級ブランドであるダンヒルを展開するリシュモングループと業務提携を行い、「ダンヒルの店舗内でクリーニングや高級衣類のメンテナンスを受け付ける東京オフィス」を12月1日に開設するとのことなのです。
クリーニング業界といえば、家庭で洗える衣類や高性能な洗剤の普及、また店舗間での価格競争の結果、年々市場規模が縮小してきている大変厳しい業界でもあります。ところが、”逆張りの視点”で考えてみると、高級ブランド品に対応するサービスはニーズがあっても供給が少ないことに同社は気づきました。そこで、東京の銀座という場所で、高級ブランドと提携を行うことで、この需要を取り込もうという狙いなわけです。クリーニングや衣類の保管の相談まででき、ダンヒル以外のクリーニングも受け付けることで、高級ブランド市場に食い込もうという意図が透けて見えてきます。
さて、この事例を読まれてどう思いましたか?高付加価値型でいくのか、日用品および普及品型でいくのか、また低価格路線か高級路線なのか。無難で中途半端な事業では、顧客を捉えきれないので、どちらかの路線を選択して、極めていかなければなりません。クリーニング業界という極めて分かりやすい業界を事例として用いましたが、これは業界を問わず、同じことです。”無難”なものは、顧客にとって興味をひかない。この原則を覚えておきましょう。これが今当然となっている時流でもあるのです。新規事業においても、中流意識は捨てましょう。二極化社会は企画においても大事な要素なのです。
投稿者 compas : 13:07
2007年11月06日
セカンドライフを斬る!
最近、話題の3Dワールドである「セカンドライフ(以下SL)」。これってどうなんでしょうかね?私も一応アバターを持って、たまにログインしていますが、世界で何故騒がれ、これからどこへ向かっていくのか。研究中の私も未だピンと来ていませんが、新規事業担当者はウォッチだけを継続しておく必要があると思います。さて、現在の概況と私の私見もここで一度整理しておきたいと思います。
2006年度にSLはアメリカを中心に世界で火がつき、今年2007年に日本で参入ラッシュが始まりました。私は、今年が”第一次”という名前が将来着く位に、第一歩目だと考えています。現在、SL内でビジネスを展開する企業よりも参入支援会社の方が仕事になっていて、電通をはじめ、目立ったところでは20〜30社程の参入支援会社があると言われています。またプレーヤーとして参入している有力な大企業は50〜60社とも言われています。もちろん、日本に限ればですが。。。
有料のプレミアム会員と無料の会員制があり、99%近くが無料会員とも言われています。既に、メディアではSL内でのバーチャル不動産王として数億円を稼ぐ者が出ていると紹介されるなど、徐々に現実の経済化が浸透してきているとも言えます。しかしながら、日本では、アバターを持っている会員で、直近二ヶ月以内にログインしたことのある人は極端に少なく、まだまだ話題先行型となっている事実は否めません。実際にSL内に入っても、人の往来も少なく、その殺風景な街並みには魅力がないので、当然のことでしょう。
しかしながら、私がSLが意外に利用率が低いことの理由は簡単だと思うのです。ハッキリ言って、既存のPCスペックでは荷が重過ぎる。つまり、3Dの世界を動かすのに、まだまだPCのスペックは追いついておらず、途中で固まるという「ハードウェアの問題」が真っ先に挙げられます。これは、PCの買い替え時期のタイミングと連動する形で変化すると思いますので、肯定的視点でのウォッチが必要でしょう。
次に、「面倒くささの問題」もあります。まさに現実社会と同様に”生きる”という感覚で利用しないと、手軽に利用するといった感覚では面倒くさいと私は感じます。”わざわざ仮想都市に旅をする”といった感覚でなければ、時間もかかりますし、面倒くささが残ります。SNSは日記やマイミクなどで”簡単に・手軽に”「つながる」という部分が受けて普及率と利用率が比例しました。それは、ブログでも手軽なHP制作という感覚やトラックバックなどの機能で同様に、広がっていったものと思います。
最後に、SLが世界のスタンダードになっていますが、日本でもSL同様の仮想都市を独自で立ち上げる企業が急増しており、SLに比べてグラフィックやアニメーションのつくりが精巧なため、SLが必ずしもスタンダードにならないのではないかと私は考えています。グーグルもマイスペースも、それぞれヤフーとミクシーに日本市場だけは勝てないままの状態が続いているのと同様ですね。ゲームとアニメ大国の日本が独自に仮想都市文化を作れば、「SLの優位が続くとは限らない」という読みです。
総合的に考えてみると、まずSL内でビジネスができる環境に現在はないということ。そしてもちろん広告効果も殆どないということ。(グローバル市場での広告は打ち上げ花火としては効果があるかも) しかしながら、将来の有力なチャネルの一つになるとは思いますし、チャネルというよりは、ネットの世界がフラッシュや動画ではなく、3Dの世界が標準で、その中に動画が存在する世界になると私は思います。
従って、参入だけは何らかの形でしておく必要があるかもしれません。それはビジネスを今行うのではなく、「ノウハウを蓄積する」という目的でです。現在、SLもオープンソース化の流れにきているようですし、他の仮想都市のIDでSLをはじめ各社が提供する全仮想都市へも出入りが出来るシームレス化の動きもあるようです。こうして考えると、今はビジネスをしようと思うな!しかし、研究とノウハウ蓄積はしておく方が良い!というのが私の結論にでもなりましょうか。
まだまだこれから進化をしながらも、仮想都市は新たな世界の一つにはなりそうです。ただし、大切なことは3D世界ではなく、3Dがネットの画面上で標準になることが予想されていることです。3Dではなく、”3Dインターネット”というところがミソとなります。皆さんは、どんな世界を想像されますか?私は、「使い勝手」がSLの進化スピードと今後を全て決めると思います。
投稿者 compas : 12:44
2007年10月22日
CtoBの潮流
WEB2.0という概念が普及してから、CtoBという流れもネットの世界を中心に、珍しくなくなってきました。私は、その中でも広告収入に頼らずに、シンプルに一般ユーザーの持つコンテンツを販売へとつなげるシームレスなモデルに注目しています。動画投稿サイトのYouTubeも、結局は広告収入へいかにつなげるかというところが、ビジネスのオチになっています。しかし、今回ご紹介するカナダの「istockphote(アイストックフォト)社」は、同じ画像投稿サイトでも、独自性のある事業展開を行っています。
同社は、写真(静止画)を中心とした投稿サイトなのですが、少し仕組みをご紹介してみましょう。まず投稿したいユーザーは3枚の写真をオンラインで提出します。そして提出された写真は審査にかけられ、構図やピントなどのチェックを受け、合格すれば初めて投稿できる仕組みです。そして写真はサイトを通じて、ロイヤルティフリーの画像素材として世界中に販売され、その売上は販売額に応じて投稿ユーザーに還元される流れになっています。(参照:月刊アスキー)
シンプルなモデルではありますが、自分の画像が即世界で売り出される可能性があることは夢があっていいですね。この仕組みを利用すれば、お蔵入りとなって放ったらかしにしていた写真をアップロードするだけで、世界中から買い手が現れるかもしれないですね。ちなみに、特徴的なのはサイトのクオリティ。写真を審査することで質を向上させ、更にコミュニティ機能を使ってカメラマン同士の意見交換もできるようにしています。
CtoBの流れというと、何か無制限だったり、無法地帯に近い状態のところへ、コンテンツを投稿するという形式が多いかと思います。そして、その収入源の殆どを広告収入や獲得したユーザー会員の情報を基に他社向けのマーケティング支援収入を得るというパターンが多く見受けられます。しかし、ある一定の品質を保証した上で、個人に還元するモデルを築くなら、個人が持つコンテンツの売買仲介という収入源を持つビジネスの拡大が見込めてきますね。
CtoBという潮流が浸透してきた今、広告収入に頼らずに、”シームレス”にユーザーと買い手をつなげる仕組みは今後も、新規事業開発において必須となってくるでしょう。しばらくは、CtoBビジネスの各社の”収益源”の拡大策から私は目が離せません。
投稿者 compas : 10:45
2007年10月11日
省エネの視点
ついに本格化したかな?という記事を先日、確か日経新聞で発見しました。それは「省エネ」の視点があらゆる産業で増えてくるであろうという私の仮説に基づく記事でもありました。それは、システム販売の「TCBテクノロジーズ」社が、オフィスのIT機器を対象にした省エネ対策事業を始めるというもの。私は、先日のIT企業を対象にしたセミナーで、次世代のWEB社会の展望や、その中における収益源の見つけ方をお話させていただきました。
もちろん皆さんの関心は、WEB2.0後のビジネスモデルや、セカンドライフのこと。でも、実は技術の進化だけを見ていては、本質的に大切な時代の潮流を見誤るのですよね。私はIT分野における技術の進化は、事業開発においてはあまり関係ないと思っています。なぜなら、どれだけIT技術が進化しても、お金の流れや収益源の構成は、古今東西、他の産業と比べてもあまり変わらないからです。請負、代行、仲介手数料・・・挙げだせばキリがありませんね。
さて、話は戻りますが、そこで、技術の進化ではなく、例えば、省エネという潮流を捉えて、ITと絡めた新規事業を考えてみる。こんなアプローチの方が、実は切り口としては面白いと私は考えているのです。つまり、IT、ITしてない事業企画という意味です。事業企画におけるコンセプトを、「IT×省エネ」としてみましょう。その上で、先にご紹介したTCBテクノロジーズは、どんなビジネスモデルを作り上げたのでしょうか。
まずは、米国のバーディアムという会社と提携して、印刷省エネ化ソフトを日本語して販売する事業や、オフィスのLANに接続されたパソコンの電力消費量を計測したり、設定した時間になるとパソコンの電源を自動で切る機能を備えた電源管理ソフトの販売事業です。印刷省エネソフトでは、文章が最後に一行だけはみ出した場合に印刷しない設定や、ホームページを印刷した際にバナー広告を削除して印刷することも可能にしています。これで無駄な紙とインクの使用がなくなりますね。
また、電源管理ソフトを導入することで、PC一台あたり年間で5千円の電気料金の削減ができると言います。ビジネスモデルという視点で見れば、単純にソフトの販売事業ということになるでしょう。しかし、新規事業企画という視点で見れば、「省エネ×IT」というコンセプトで、同社の事例以外にも、様々な仮説が考えられるのではないでしょうか。
私は、ITの中だけで、新規事業を考えるのは間違っていると思います。特に、WEBの技術を追い、WEBの中だけで完結しようとさせる思考を持つ方。それももちろんビジネスにはなりますが、やはり大きなビジネスになるのは、時代の潮流や本質を読みとり、そこにどう”ITを絡ませる”かという視点に立った企画だと思うのです。ITに限らず、省エネという潮流は全産業に影響を及ぼすとは思いますが、是非、新規事業の企画においても、本質を見誤らず、表面上の現象だけに捉われないようにご注意頂きたいと思います。
投稿者 compas : 21:10 | コメント (0) | トラックバック
非科学な分野に科学を
今まで、科学的な解明がされてきてないものや、論理的に説明できないものは、胡散臭いものとして扱われてきました。例えば、メンタル面や感性面での部分など、それは枚挙に暇がありません。しかし、私は新規事業開発やマーケティングにも、特に人間の心や脳に関わる部分は、胡散臭いどころか、大きなテーマとなってくると考えています。最近では、科学的に解明されたり説明される部分が増えてきたことも、大きな追い風となることでしょう。
例えば、「アルベルト」という会社があります。同社はITを使って消費生活における意思決定の支援、悩み・迷いの解決をすることをコンセプトにしています。いわゆるリコメンデーションというテーマに主軸を置いた展開をしています。実は、このアルベルト、最近では、キーワードを入力せずに商品や情報を検索する「感性検索」技術を携帯電話のECサイト向けに販売する事業を展開することを発表しました。一般的な検索よりも、感覚的に検索できる方が、ユーザーの使い勝手がいいので、とても面白い着眼点と言えるのではないでしょうか。
従来であれば、例えばカメラを探す場合に、画素数など機能面の”単純な”カテゴリーからしか検索が出来ませんでした。ところが、同社の強みを活かせば、「電池の長持ちを気にしない」といった感覚による検索が可能で、利用者の好みと商品の仕様をつき合わせて最適な商品を推薦する仕組みが構築できます。今までは、自分の欲しい情報を得るためには、ある程度、検索の絞込みの知識がないと、欲しい情報までたどり着けないという課題がありました。それを感性で検索が容易にできるようになることで、ぐっとユーザーの利便性が増すわけですね。
また、「運気を上げる=アゲウン」をコンセプトにした占いサイト「アゲウン(ageUN)」は、35万人の会員を誇る人気サイトですが、ここで得た顧客動向をBtoBのダイレクトマーケティング事業に活用しています。つまり、”占い”という胡散臭いと言われていた部分をITを活用して、「生活者心理」をテーマに追求を行い、”心理的マーケティング”に一つのソリューションをもたらしているわけです。従来型のサンプリングやモニタ調査では、傾向分析で”仮定”しか測ることができませんでした。
しかし、占いサイトでの運営経験を基に展開するダイレクトマーケティング事業では、占いを通じた心理的な消費行動の検証を徹底的に行うため、よりリアルな市場調査が可能になるようです。このように、心理面や精神面をITという道具を用いて解明したり、また手助けをしていくことで、大きなマーケットとして育てていくことが可能になるのではないか。また、メンタル面の部分は、非科学な分野とされてきましたが、ITの登場によって、テーマとして表舞台に出やすくなった側面があるのではないか。私は、そう思います。
今後、ITによって、非科学な分野が科学的になり、特にメンタル面に切り込んだビジネスは、時流として押さえておくべきテーマになるのではないでしょうか。メンタル面を解明する、メンタル面を活用する、どんな切り口でもいいと思いますが、「メンタル面×IT」というキーワードでの事業企画は、今後の有望市場だと私は睨んでいます。
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SNSの多様化
日本ではミクシー、そして世界ではマイスペースなどのSNSサービスが日常生活の中にかなり浸透し、広がりを見せ始めましたね。日本では、携帯電話でSNSが展開される場合も多く、SNS単独やオンラインゲームにコミュニティ機能としてのSNSを付加させるなど、多様化しているというのが現状です。皆さんは、何らかのSNSに参加していますか?私はミクシーを始め4つほどに参加していますが、それぞれで個性があって面白いです。また、今のところ、日本では日記というものが中心のSNSですが、今後は日記に捉われない部分に、SNSにおける新規事業の可能性がありそうです。
ところで、本日、日経MJ新聞を読んでいて、驚いたことがあります。それは、欧米で人気がある”美しい人限定のSNS”「ビューティフルピープル.ネット」というものが日本に進出するという記事です。うん?こんなテーマはありなの?と一瞬思いましたが、ニーズがあるのでしょうがありません。差別的ともとられそうですが、そうとは言い切れないところに賛否両論を捲き起こす遠因があるようです。さて、このSNSは、女性だけではなく男性ももちろん入会が可能ですが、通常のSNSに比べ入会が厳格。ただの招待制ではなさそうなのです。
入会の可否を決めるのは、すでに選ばれたメンバーによる投票とのこと。女性は男性を選び、男性は女性を選ぶといいます。これは、女性であれば、自分より美しい人は選ばない傾向が高いため、異性を投票する仕組みになっているようですね。単に、ミーハー的に捉えられがちなこのテーマ。しかし、美しいという定義や感じ方を掴み取るマーケティングの実験場として考えてみれば、とても面白く魅力的なサービスではないでしょうか。
もちろん、芸能関係者が多くアクセスしにくるそうですが、こういうテーマの切り口があってもいいでしょう。本当にSNSの奥深さを感じます。しかし、SNSサービスが多様化してきて思うことは、人間は皆、人とつながりたいと言う本質的欲求があるんだなぁと。この本質を押さえておけば、SNSに限らず、色々と新規事業に関して、面白い発想が出てくるかもしれませんね。さて、今回ご紹介したSNSですが、日本でもアジアではじめて開設され、9月には携帯向けのサービスも始まると言います。
しばらくは、SNS関連のサービスは熱いままのようですね。セカンドライフの前に、SNSで半歩先のビジネスアイデアを新規事業で考えてみませんか?単なる日記サービス以上のものがSNSサービスの事業開発では、今後は鍵を握ると思います。
投稿者 compas : 21:02 | コメント (0) | トラックバック
富裕層をどう捉える(捕らえる)?
ここ最近、富裕層ビジネスが花盛りのようです。格差社会が言われるようになってきてからは、特に富裕層や富裕層になり得る層へのアプローチ方法の設計が急務になってきているようですね。もちろん、これは新規事業開発においても、もはや例外ではありません。マーケティングの問題だけではないのです。さて、とは言うものの、富裕層とは何か?そしてどのような商売をすればいいのかという基本を押さえた上で、新規事業の企画や戦略を考えるのが、王道でしょう。いきなり、富裕層向けビジネスということで、事業計画書を書いても、机上の空論に陥りがちですので、注意しましょう。
さて、今回はJTBの販売戦略を通じて、富裕層の一端を考えて見ましょう。これは、先日の日経産業新聞の記事からになります。現在JTBでは、高額商品を購入する顧客開拓を目指した専門組織を社内に設置したほか、フジテレビグループとも提携して会員制雑誌も10月に創刊するとのことで、かなり鼻息が荒くなってきているようです。特に、事業展開のコンセプトとしては、「目の肥えた団塊世代に対する様々な受け皿を用意しておくこと」だそうです。
さて、JTBの戦略拠点と言えば、東京・銀座に2003年に開設した高額商品専門の「ロイヤルロード銀座」になりますが、ここが今後鍵を握っていくのでしょう。ちなみにJTBの富裕層の定義とは、基本は可処分所得で預金額や固定資産に頼らない定義の付け方です。年間1世帯あたり300万円以上の旅行取扱額、または1回の旅行につき1人当たり購買単価が海外80万円・国内30万円以上の顧客を「スーパーロイヤルカスタマー」と定め、それを更に6階層に分類しているそうです。同社では、今まで”富裕層”という一くくりの対応の仕方でしかしていなかったため、これを抜本的に改めるというのが、第一歩目のようです。
さて、新規事業におけるマーケティング戦略でも当然のことですが、かなりきめ細かな戦略対応ができているかどうかが時流にある顧客層へのアプローチでも重要になります。例えば”シニア”と一くくりにする企業が未だに多いのですが、これでは本当の意味でニーズ発掘とアプローチなどできるわけがありませんよね。そのため、まずはJTBと同じく、「顧客層の定義」と「細分化」を事業開発においても、マーケティング戦略の立案においても、真っ先に行い、ここに充分な議論を私は尽くすべきだと思います。
とりあえず時流に乗っているからという理由で、ターゲット戦略が非常に甘い事業計画書を私も日々見ていますが、やはり基本を徹底するとは”富裕層”向けのビジネスであっても何ら変わりがありません。JTBでは、今後富裕層ビジネスの人材育成にも力を入れ、富裕層に選ばれる突き抜けた存在になると意気込んでいるようですが、まずは富裕層をどう捉えるかを社内で議論し尽くした基盤が、今後の同社の事業展開へとつながっていくことでしょう。まずは顧客とは誰か?どのような実態なのか?など定義づけと、しっかりとした状況分析こそが、新規事業においても鍵を握ると私は思います。
投稿者 compas : 20:22 | コメント (0) | トラックバック
”心地よさ”を重視しよう!
先日、日経MJ紙のコラムにLOHAS層に関するレポートがありました。健康や環境に配慮したライフスタイルを心がける特に団塊ジュニア世代。親にあたる団塊の世代と異なり、競争して「勝つ」ことよりも、個人の「心地よさ」や「快い感覚」を大事にすると言います。確かにそういう側面があるかもしれませんね。私は年齢的に、LOHAS層として影響力を持つと言われる団塊ジュニア世代です。個人的には、競争力むき出しのビジネスマンスタイルですが、それでも普段は「心地よさ」を追い求めたプライベートになっているような気がします。
今、時代は、端的に言えば、弱肉強食型のアメリカスタイルではなく、共生型のヨーロッパスタイルを求めるようになってきています。歴史や文化に対する造詣、環境に対する配慮、そしてイタリアのように小さくても強い企業がたくさんある風土。これはシリコンバレースタイルのベンチャー企業ともまた異なりますよね。つまり、「強さ・大きさ・勝利」は不要ということです。それよりもむしろ、「優しさ・自分サイズ・心地よさ」というキーワードがピッタリきます。
私は、この時流を端的に表しているのが、実はゲーム機なんじゃないかと思っています。プレイステーション3の売れ行きの悪さを見れば一目瞭然ですよね。プレイステーション3の場合、ゲームオタクでハイスペックをとことん追求している層にしか受け入れられない。でも、消費者の心理は、ハイスペックなものを”使いこなす”部分に喜びがあるのではなく、シンプルでもいいから”気持ちよく”遊びたいという部分に多くの喜びがあると思うのです。ここにプレイステーション3とは異なる任天堂のウィーの売れ行きがあるのではないでしょうか。
新規事業開発においても私は同様だと思います。これは、メーカーとして物を作っている会社も、卸売りで物を販売している会社も、「心地よさ」を加味しなければならない時代に入っています。メーカーであれば「心地よさ」が得られるものを作る。そして卸売りであれば、「心地よく」感じる売り方を提案する。特に、BtoC型の事業で行う新規事業開発においては、「心地よさ」を前提にした事業を企画しなければ、どんな産業も、もはや消費者の指示を得ることは難しい時代になっていると私は思うのです。従って、今後の新規事業のコンセプトづくりの鍵はヨーロッパの研究にありとさえ、私は本気で思うようになりました。勝たなくてもいい。心地よい社会づくりが新規事業を通じて出来ればいいですね。
投稿者 compas : 19:53 | コメント (0) | トラックバック
格付け事業
新規事業開発を行う際に、あれもこれもと多くのサービスを詰め込んだ事業計画が作られているのをよく拝見します。しかし、当然ながらこれだけ情報過多の時代にあって、複数のベネフィット(便益・利点)を顧客は望んでいません。もちろん、事業やサービスに関する情報も、本来複数は望んでいないわけです。であれば、少し視点を変えて、情報を整理してあげる新規事業を考えられないかと発想を変えてみましょう。つまり、情報を整理してあげて、優良な情報だけを提供することで、その代行部分や情報の価値そのものをお金に変えるという発想です。一言で言えば、「格付け事業」となりますね。
以前より、ランキング商法と言って、商品をある情報に基づいてランク付けすることで、商品の販売促進を行うというものがありました。例えば、オリコンなどからお菓子や香水、CDなど生活雑貨品の売れ筋データを仕入れて、そのデータに基づいた商品構成で販売する「ランキンランキン」という店舗は、その代表例でもありました。これなどは、「格付け」と「物販」という従来型のビジネスを上手くドッキングさせた例と言えるでしょう。
しかし、最近では、情報の整理の代行や情報そのものでお金を稼ぐ、本当の意味の「格付け事業」というものが増えてきました。グルメや医療機関の格付けなどが代表例ですね。クチコミというものもWEB2.0社会で浸透していますが、情報の精度が不確かなのと、情報量が多いことに変わりはないわけです。そこで、中立的で信頼できる調査に裏付けられた「格付け」の価値がクローズアップされてくるのです。消費者は、やはり信頼できる人に薦められる方が、物を購入するときの心理が楽になりますので、
情報でお腹いっぱいの社会にあっては、あらゆる業種で同ビジネスモデルが普及してくるのではないかと私は考えています。
例えば、建物診断を手がける「日本不動産格付」という会社が、6月から「新築分譲マンションの格付けサイト」を開設し、試験運用を始めるようです。大成建設系のシンクタンクと共同で格付けシステムを開発し、立地や構造など140項目の客観的なデータをもとに診断し、点数をつけるようです。もちろん、格付け以外にも一級建築士によるコメントなどを提供し、消費者がマンションを購入する時の参考にしてもらうようにしています。
同ビジネスの場合は、船井財産コンサルタンツとNISグループの強みと専門性を活かした合弁企業が手がけていますので、その延長線上の新規事業であるとは思います。しかしながら、着眼点としては、不動産やマンションに限らず、自社の事業領域で「格付け事業」が当てはめられないかどうかを検討することは一利あるのではないでしょうか。ちなみに、マンションの格付け事業の収益モデルは、現在のところ、閲覧者は無料で、閲覧者がWEB経由で購入に至った場合に、開発会社から分譲価格の約1%を成約料として徴収。将来的には、格付け料そのものを取るモデルに移行するようです。
情報過多の時代こそ、逆張りの視点で、情報の整理や集約を代行し、価値の高い情報をお金に変えるビジネスモデルが、あらゆる業種で成り立つ時代が到来したといえるのではないでしょうか?
投稿者 compas : 19:25 | コメント (0) | トラックバック
行動格差を理解しよう!
インターネットというものは、新規事業開発にとって、切っても切れないだけのビジネスツールとして存在感を示していますね。ところが、ネットが普及すれば普及するほど、実は消費者の間には「行動格差」が生まれていることを、新規事業担当者は理解しておく必要があると私は思います。つまり、情報をネットで受け取ってから行動を起こす消費者と、行動につながらず、情報の消化不良を起こす消費者の格差がついてきているという意味です。
ネット社会が普及すれば、ネットによってビジネスや生活が効率化されると言われてきました。また事実、そういった側面は全く否定できません。しかしながら、一方のパワーがかかると、逆向きのパワーも等しくかかるという法則が私はあると考えています。単純に言えば、私はいつも新規事業コンサルティングの際に申し上げるのですが、”逆張りの視点”ということになるでしょうか。皆がIT系のビジネスモデルを組み立てるのであれば、あえてアナログやリアルにこだわるというスタンスの取り方。
例えば、今朝の日経産業新聞には、リクルート社の面白い事業計画に関する記事が紹介されていました。ネットでの事業展開を模索しつつも、いくつかのネットによるビジネスモデルを築いてきた同社ですが、行動格差の流れを受けて、「リアル」な事業を強化していくというものです。同社は就職や結婚、住宅などのテーマで媒体を作っては広告収入で稼ぐモデルを築いて来ました。また、これをネットによるモデルに展開してきました。しかし、ネットだけでは、収益にも限界があるだろうという判断のようです。
例えば、就職活動の学生支援事業では、学生がネットで登録し、電話やメールで学生の相談に乗った後、企業との面接をセッティングする相談事業を「就職2ndステージ」という名称で手がけています。同社は、このモデルで後に学生の採用が決まれば、企業から40万円の手数料をもらう仕組みを作りました。また注文住宅の購入を検討する消費者から相談を受ける「ハウジングナビカウンター」も増設し、対面カウンターや相談事業をリアルに行うモデルを追加していっているようです。
人を介したビジネスをBtoCでリアルで行うとなると、効率や利益率が悪くなりますが、それでもリアルに集中する事業も一つの選択肢、リクルートのように両軸で展開するのも一つの選択肢です。いずれにしろ、「行動格差」が存在するという時流を理解した上で、新規事業開発にあたる必要があるのではないでしょうか。
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シニアマーケットはいかなるものか?
団塊の世代が大量に定年退職を迎える年に入り、世間でもシニア向けマーケットに関する議論がメディアを騒がせています。ところが、このシニアマーケットは開拓が難しいというのも、定説の一部分でもありますね。比較的、数年前より団塊の世代の心を捉えてきたビジネスは、旅行や金融など分かりやすいもの。ここに車が加わるかなという感じ。そして、ここ1〜2年は、格好いいオヤジというコンセプトでの広い意味でのファッション及びライフスタイル提案産業。しかし、これも、まだまだ定着しているとは言い切れません。さて、皆さんの会社では、シニアマーケット向けに、どのような新規事業を考えていますか?または取り組んでこられましたか?意外に難航してませんか?まだまだどの企業も手探りのようですね。
ちなみに、今、人材派遣のパソナや東京海上保険、JR東日本などが組んでシニア向けの福利厚生代行事業を始めています。母体は、共同出資で設立された「NARP」という会社。これは会員制でグルメなら全国約2万店の飲食店と提携し、また介護・医療関係などとの提携によりシニア向けの生活サービスを多彩なメニューで揃えているところに特徴があります。また、JR東日本と組むことによって、旅行関連の約50万人ほどの会員に対してのアプローチも可能になるため、”シニア向け福利厚生代行事業を会員制にて展開”という事業では、比較的プラットフォームとしての存在感を示すのではないかと私はウォッチしています。
さて、シニア向けというと、未だに紋切り型のシニアの生活パターンを見て、マーケティングを行う会社が後を絶ちません。しかし、シニアに関して特に言えることは、?コンセプトがシンプルであること、?大企業の資本やカリスマの存在など確実な信頼性が目に見えていること、?知的好奇心とこだわり感がある格好よい質感があることの3つがやはり、ビジネスの原理原則であると私は思います。シニア向けのマーケティングの手法は数多くのビジネス書が発売され、各社が色々な提言をされていますが、この3つは常にここ4,5年を見ても、底流を流れる原理だったように思います。
しかし、出来上がってくる新規事業の企画を各社拝見しても、結局複雑なサービスがごった煮になっている状態。どんどん不要なものをそぎ落としてシンプルにしていかなければ、到底シニアの心など捉えることは難しいのではないでしょうか?また、新規事業の企画を作る際に、必ず出てくるのが、顧客を囲い込むために会員制のビジネスモデルを行うというもの。これも、安易に会員制と言ったって、もちろんコンテンツの質がはじめにありきなので、NARPのようには簡単にいかないという事実も覚えておかなければなりません。今後シニアマーケットは多種多様な広がりと奥深さを持つことに変わりありませんが、新規事業を考える際は、「付加価値提案」モデルと「サポート&コンシェルジュ」モデルの二つの側面で検討していくことが重要です。言葉を変えれば、ライフスタイル提案型と生活サポート型という意味です。
シニアマーケットは、様々なメディアが騒いでいますが、それを特別視せずに、経営や新規事業のセオリーを的確に押さえていくことの方が実はとても大切なのです。浮き足立てずに、基本に忠実にビジネスの組み立てをしていきましょう。
投稿者 compas : 19:11 | コメント (0) | トラックバック
最終消費者の声がつくる新規事業
ネットによるクチコミ文化が定着してきたことで、日本でも本格的に「最終消費者の声」のインパクトが経済を左右するようになってきたと思います。先日のセミナーではBtoB向けの新規事業の組み立て方という趣旨で解説しましたが、この中でも同様のことをお話しました。BtoB向けの新規事業や法人営業と言うと、営業と購買担当者の長期的な人間関係が密接に受注体制とリンクしていました。ところが、最終消費者の声の影響が増大してくるにつれ、BtoB向けの新規事業でさえ、人間関係重視の営業活動だけでは受注できない時代に突入しているという趣旨のお話です。で、私が思うのは、今後最終消費者の声が持つインパクトは、更に大きくなることはあっても、小さくなることはありえないと思っているのです。超独裁的な起業家が世界経済を全て牛耳ら無い限り。もちろん、そんなことはありえませんよね。
であれば、はじめから、このことを念頭においた新規事業を考える。もしくは、この部分にスポットを当てて新規事業を組み立てるということを考える必要が出てきているのではないでしょうか。例えばですが、最終消費者の声そのものをビジネス化している形態としては、ユーザービリティの検証事業、試作品の請負制作、テスト営業・販売支援、試供品の配布代行など多様なバリエーションがあります。ちなみに、この部分の市場規模とバリエーションは、もっと拡大してくのではないかというのが、私の予測でもあります。したがって、いわゆるバリューチェーンにおける経営の各機能のうち、マーケティングの中でも、特に最終消費者の声に触れるプロセスの中で、様々なニーズを抽出すれば、時流を捉えた新規事業が組み立てられるのではないでしょうか。
ちなみに、ユーザービリティの検証という部分では、WEBの制作・コンサルティング会社で、「ビービット」という企業があります。この会社は、実際の顧客と想定できるモニタに制作段階にあるホームページを操作してもらって、改善を施していく手法に強みがあります。当たり前ですが、顧客の声に基づいてページを制作し、改善していくわけですから、反応が良いページが完成するのは当然ですよね。つまり、WEBという成長市場においても、忘れがちであった最終消費者の声を意識して事業を展開することで、差別化を図っているわけです。WEBの制作に関しては、未だにデザインや自社のPRの観点からしか制作されてない企業がたくさんありますからね。
また、一方では、北海道にある「ユーザデザインラボ」という会社は、IT機器だけではなく、開発中の家電製品や食品の試食をモニタにお願いすることで、幅広く新製品の使い勝手を検証しようとしています。もちろん、単純アンケートやインタビューだけではなく、デザインや味に対する反応や表情なども映像で記録して企業に提供するところまで行います。また、分析は、認知工学の専門家が行い、解決策を提案するので、とても意義のあるビジネスだと私はウォッチしています。
最終消費者の声というと、すぐにマーケティングリサーチ事業のようにイメージされるかも分かりませんが、新規事業という観点で考えると、ユーザービリティの検証を中心とした新規事業が、今後はどんどん出現してくるような気がしてなりません。最終消費者の声を付加価値品として加工して、新規事業を考えてみましょう。これは、一つの時流だと私は捉えています。
投稿者 compas : 18:48 | コメント (0) | トラックバック
ナ・デ・シ・コ
「ナデシコ」と聞いて、なんのこっちゃ?と思われた読者も多いでしょうね。実はこれ、以前、電通消費者研究センターが打ち出したトレンドキーワードの一つなのです。なんでも、団塊ジュニア世代の男性の購買基準は、「ナチュラル・デザイン・シンプル・コンパクト」の4要素とのことで、この頭文字をとって”ナデシコ”と呼んでいる訳です。なるほど、私も団塊ジュニア世代ですが、まさにそのとおり!だと思いますね。ただ、私なりに付け加えるとすれば、これは団塊ジュニアの男性消費に限らないということです。もちろん、団塊ジュニアの女性も同じような要素を購買基準の中に持ち合わせていますし、ましてや団塊の世代ですら、その傾向はあると思います。
私はコンサルティングやセミナーの時に、”逆張り”の発想で新規事業の企画を考えてみましょうと、よくお話します。そこでの視点の一つは、まさにナデシコ的なトレンドをつかむということです。どういうことかといえば、時代はネット社会が成立してから急速に情報過多になりました。そして、少なくとも日本では取り立てて欲しい日常生活品や嗜好品なども、既に殆どが手に入れている程成熟した社会になりました。こんな社会では、人々の心理はどこへ向かうのかと言うと、逆に向かうわけです。おいしいものや機能が良いものではなく、自然で肩肘張らずに利用できるものを。普通の既製品ではなく、デザインで心を楽しませてくれるものを。情報が多いものに対しては、シンプルに。そして大きさは不要、あくまでもコンパクトで使い勝手と置き勝手のいいものを。
つまり、消費者は今疲労しているため、心がどこかほっとするようなサービスや商品を求めているということではないでしょうか。言い方を変えれば、肩肘を張らずに自分らしいペースで生きたいという欲求が、社会的な潮流としてあるのではないかとさえ思うのです。そこに、団塊のジュニア世代や男性などという区分はないと思うのです。ナデシコの要素は、特にヨーロッパが、昔から強く持っていた部分だと思いますが、米国一辺倒であった日本は、逆にこれからヨーロッパ型社会に向かうのではないかと私は考えています。したがって、ヨーロッパ型のライフスタイルを研究する中で、何か新規事業のヒントが隠れているような気がしてなりません。
新規事業のコンサルタントとしてではなく、一個人としても、ナデシコ型のビジネスやライフスタイルを志向していきたいと私は考えています。新規事業の企画を現在検討中の方は、「ナチュラル・デザイン・シンプル・コンパクト」の”ナデシコ”で事業計画をブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか?
